男はつらいよ
お次の第四作は第三作の一ヵ月後の封切。もう現場はわやくちゃだったろう。本作の監督はドラマ版「男はつらいよ」の演出を担当したディレクターの小林俊一。後にもドラマ版「白い巨塔」の演出も担当している才人である。なんとこの作品は寅次郎が旅に出ない…
日本映画が坂道を転げるように悪くなっていた1968年の出来事である。松竹の社長だった城戸四郎は「プログラムを間に合わすという考えで安易にシリーズ化するのはよくない。今後は三本以上のシリーズは作らない」と語った。結局、日本映画がダメになった…
封切国民的女優とまで言われた吉永さゆりをゲストに迎えての第9作。観客も180万人を突破し、松竹の看板と言うよりも日本映画の看板となった感じもある。本作よりおいちゃん役が松村達雄にスイッチ。ゆったりとした口調が味わい深い松村達雄だが早口の江戸っ…
遂に観客動員が200万人突破の第10作。ゲストは八千草薫。カタギになることを決心した寅次郎のためにみんなが見合いの相手を探してくるが、誰も相手にしてくれない。「まさか寅さんじゃないでしょうね」なんかは生易しいもんで相手が寅さんとわかった途端に「…
ゲストは浅丘ルリ子。リリーは寅さんと同じ旅ガラスでカタギのマドンナと設定が違うのが特徴だろう。「私たちの商売ってあぶくみたいなものね」「そうだな。それにそんな上等なあぶくじゃなくて、風呂でこいた屁みたいなあぶくで背中からボコボコってあがっ…