キネマの星座日本映画ベスト

1位:しゃべれども しゃべれども

 

2位:キサラギ

キサラギ スタンダード・エディション [DVD]

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3位:サイドカーに犬 

サイドカーに犬 [DVD]

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4位:松ヶ根乱射事件 

松ヶ根乱射事件 [DVD]

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5位:河童のクゥと夏休み

河童のクゥと夏休み 【通常版】 [DVD]

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6位:魂萌え!

魂萌え! [DVD]

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7位:朧の森に棲む鬼(ゲキ×シネ)

朧の森に棲む鬼 (K.Nakashima Selection)

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8位:クローズZERO

クローズZERO スタンダード・エディション [DVD]

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9位:腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

10位:かぞくのひけつ

11位:檸檬のころ

檸檬のころ [DVD]

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12位:フラガール

13位:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]

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14位:それでもボクはやってない

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

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15位:人が人を愛することのどうしようもなさ

人が人を愛することのどうしようもなさ [DVD]

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16位:神童 

神童 [DVD]

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17位:アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]

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18位:めがね

めがね(3枚組) [DVD]

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19位:バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

 

20位:天然コケッコー

天然コケッコー [DVD]

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21位:ユメ十夜

ユメ十夜 [DVD]

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22位:自虐の詩 

23位:秘密結社鷹の爪 THE MOVIE 〜総統は二度死ぬ〜 

24位:椿三十郎

椿三十郎 通常版 [DVD]

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25位:東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2枚組) [DVD]

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26位:歌謡曲だよ、人生は

歌謡曲だよ、人生は [DVD]

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27位:パッチギ LOVE&PEACE

パッチギ!LOVE&PEACE スタンダード・エディション [DVD]

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28位:やじきた道中てれすこ

やじきた道中 てれすこ [DVD]

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29位:怪談 

怪談 【通常版】 [DVD]

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30位:鉄コン筋クリート

鉄コン筋クリート (通常版) [DVD]

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 2008年公開なのであえてランキングから除外したが「実録・連合赤軍」は日本映画が最も不得意な時代を向き合う、ということを果たした骨太な傑作であった。「しゃべれども しゃべれども」はどこか不器用な人たちが懸命に相手と向き合おうとする様を静かに描いた作品で好感が持てたので1位とした。「キサラギ」は舞台劇風味の会話劇に加え、映画特有の空間の広がりを彼らの身勝手な妄想の実現に寄与させ、心暖まる楽しい映画にしていた。「サイドカーに犬」は女優竹内結子の新たなる始まりを飾った作品で、小品ながら子供から見た、不思議な大人とのひと夏の思い出をテンポよく描いた。田舎で蠢く懲りない奴らのもぞもぞ感を感じさせた「松ケ根乱射事件」、「クレしん」シリーズで大人を熱狂させた原恵一会心作、何でも何かの枠にはめねばならない現代の不自由さをテーマにおきながらも少年と河童の交流をさわやかに描いた「河童のクウと夏休み」、伴侶に先立たれた妻のすっ転びながらの「自分街道」一人旅をスリリングに描いた「魂萌え!」、「嘘が俺のコルト」とばかりに人の心の闇に付け込んで嘘で築き上げた帝国の王となっていく男の栄光とそして悲しき末路の絵巻物草子「朧の森に棲む鬼」。「劇団★新感線」のゲキ×シネ。2月にも舞台で見たが、素晴らしい作品である。「クローズ ZERO」は作品によって出来栄えがまるで違う三池崇史の久々な快作、「キサラギ」とあわせて2007年は小栗旬の年であった。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は題名だけでもすごいが、実際も胸に五寸釘をぶち込まれるような作品で、わが身の不幸はすべて世間のせいと生きる、人格狂いまくりの姉に姉に振り回され続ける妹、そしてなぜか妹を叱れない兄、世の中笑って過ごせればいいと空気を読まない兄嫁が田舎で繰り広げる、ある種サスペンス。上岡龍太郎の倅が放った「かぞくのひけつ」は十三という他地方の人からは架空としか思えない、何でもありなタウンを舞台に自分が大好きな人達が繰り広げるコメディ。かつて豊田四郎は「落語からはね、テンポを盗めばいいんですよ」と語ってたが、本作はそうした落語のテンポを最もうまく盗んだ作品だと思う。ちすんがかわいい。
 テン以下の作品で特筆すべき作品では谷村美月の存在感が素晴らしい「檸檬のころ」、喜多嶋舞の体張りまくりの「人が人を愛することのどうしようもなさ」、瑛太と浜田岳若手俳優有望株そろい踏みの「アヒルと鴨のコインロッカー」、昭和歌謡を舞台にしたオムニバス「歌謡曲だよ、人生は」(プロデューサーの趣味でつくった作品)などがよかった。