新・男はつらいよ（４作） 1970年2月27日封切

お次の第四作は第三作の一ヵ月後の封切。もう現場はわやくちゃだったろう。本作の監督はドラマ版「男はつらいよ」の演出を担当したディレクターの小林俊一。後にもドラマ版「白い巨塔」の演出も担当している才人である。なんとこの作品は寅次郎が旅に出ない。ロケは柴又だけである。ストーリーに広がりは無いが、無難にまとめている。泥棒役の財津一郎と渥美清、森川信の掛け合いが楽しく、私は結構好きな作品。ゲストは栗原小巻だが特に目立った印象なし。寅次郎の部屋に下宿人がいるという設定はよく使われているが、この作品から始まっている。なお本作は封切時には不評。あまりにも矢継ぎ早なシリーズ化に観客が飽きてしまったのだ。この時既に松竹のエースになっていた山田洋次は自分が作ったシリーズに幕を引くべく、次回作のメガホンを取ることになります。

スタッフ：監督：小林俊一　脚本：山田洋次、宮崎晃　企画：高島幸夫　撮影：高羽哲夫　音楽：山本直純　美術：宇野耕司
キャスト：渥美清、倍賞千恵子、森川信、三崎千恵子、太宰久雄、笠智衆、前田吟、佐藤蛾次郎、津坂匡章（秋野太作）、佐山俊二、栗原小巻、横内正、財津一郎、三島雅夫

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