男はつらいよ 寅次郎夢枕(第10作) 1972年12月29日封切
遂に観客動員が200万人突破の第10作。ゲストは八千草薫。カタギになることを決心した寅次郎のためにみんなが見合いの相手を探してくるが、誰も相手にしてくれない。「まさか寅さんじゃないでしょうね」なんかは生易しいもんで相手が寅さんとわかった途端に「バカにすんな」と電話を切ってしまう人もいる始末。さすがに寅次郎も気落ちして旅に出てしまう。旅先で商売仲間の死を農家の奥さん(田中絹代)から聞かされる。しばらくして柴又に帰るとまたもや寅次郎の部屋に下宿生あり。大学教授の岡倉先生(米倉斉加年)である。「さしずめインテリ」が大嫌いな寅次郎のこと、つむじを曲げて出て行こうとするところに幼馴染のお千代坊(八千草薫)登場。このお千代に先生が惚れてしまい。。というストーリー。お千代と寅次郎とのドラマに力が入れられていて面白いし、ラストのどんでん返しまで楽しんでいられる。シリーズ中、マドンナが寅さんに惚れてしまうという作品は案外多く、この作品はストレートにお千代が寅さんへ愛情を告白している。米倉斉加年演じる学者の変人ぶりも楽しくて、思わずタコ社長の首をつかんでしまうシーンで笑ってしまった。なお冒頭の結婚式のシーンで登場しているのは実は新婚だった佐藤蛾次郎の嫁さん。「男はつらいよ」スタッフでその結婚式を祝ったのが蛾次郎の忘れられない思い出らしい。渥美清もノリにのってて語り口調が軽やか。八千草薫と倍賞千恵子に軽口を言うシーンが本当に楽しそうで微笑ましい。全盛期の「男はつらいよ」ってこんなに面白かったのか。
スタッフ:監督:山田洋次 脚本:山田洋次、朝間義隆 企画:高島幸夫、小林俊一 撮影:高羽哲夫 音楽:山本直純 美術:佐藤公信
キャスト:渥美清、倍賞千恵子、松村達雄、三崎千恵子、太宰久雄、笠智衆、前田吟、佐藤蛾次郎、八千草薫、米倉斉加年、吉田義夫、津坂匡章(秋野太作)、田中絹代
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2005/07/29
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