蝉しぐれ 

蝉しぐれ 10/9 TOHOシネマズ高槻スクリーン7
★★★
→これは市川染五郎を見る映画だな。歌舞伎はもちろんのこと、劇団☆新感線の舞台「髑髏城の七人〜アオドクロ〜」への出演とか精力的に活動していて、最も注目していきたい俳優の一人である。先日、大阪松竹座で見た「夢の仲蔵・千本桜」もよかったなあ。映画のターゲットとしては藤沢周平好きな年寄りに染五郎のファンである女性層を狙っているのだが、染五郎を見るだけでも充分に楽しめる。端正な男前でありながら、人懐っこさも合わせ持つのが彼の魅力で人のよさも感じさせてくれる。きびきびとした動きも魅力的だしね。演出には目を惹くものはあんまりないが、丁寧に撮っていることに好感が持てる。丁寧すぎてスピードが失われてしまったのは残念だが。どこまでも凛としたスッと綺麗に伸びたうなじを見せてくれる木村佳乃も出番は少ないが、女性の出演が極端に少ない本作に彩りを添えてくれている。緒形拳、磨赤児、柄本明大滝秀治三谷昇加藤武と言ったベテランを少ない出番ながらも効果的に使っているのはうまい。特に加藤武の開き直った悪役ぶりはファンとしては嬉しいところだ。利重剛との立会いのシーンは嫌いではないが、少し舌足らずだと思った。なお黒土三男は映画化に先立ち、内野聖陽主演でドラマ化されている。(NHK金曜時代劇)この人も小泉堯史みたいにこういう時代劇ばっか撮るんやろか。

「蝉しぐれ」と藤沢周平の世界 (文春ムック)

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