ルパン 

ルパン 10/5 京都シネマ
★★★
→日本でルパンと言えばアルセーヌ・ルパンよりもその孫、ルパン三世(一応、彼はフランス人なんだよな。。)が頭に浮かんでしまい、次元大介や五右衛門の姿を探してしまう。が、これはモンキーパンチの漫画じゃなくてフランスの映画で怪盗紳士アルセーヌ・ルパンのお話。なんか劇場が妙齢の女性で満員で世の中にこんなにルパンファンがいるのか、と吃驚したが主演のロマン・デュリスという俳優さんが大人気らしいですね。「スパニッシュ・アパートメント」に出ていた人らしい。へえ。。実は見てないけど。オールバックに口ひげがビシッと決まった気品の高さと同時に隙の無さを持った感じがよく出てて実にセクシーでかっこいいです。そら、人気出るわな。登場人物も多く、複雑なストーリーで前半はやや退屈して少し寝ましたが、後半にかけてぐんぐんと展開が進みだして面白くなっていく。演出のテンポはもう一つですが、ストーリーに力があります。特にルパンのライバルとなるポーマニャンの存在が際立っています。女性陣では妖艶な悪女を演じたクリスティン・スコット・トーマスとルパンを思い続ける無垢なお嬢様を演じたエヴァ・グリーンが対照的な女優さんでそのキャラクターもくっきりと分かれててそれがまたそれぞれに惹かれるルパンの悩みを浮き上がらせる。うまい。エヴァ・グリーンは「キングダム・オブ・ヘブン」もよかったなあ。19世紀末から20世紀にかけて最もフランスで文化・芸術が栄えた時代、所謂「ベル・エボック」が舞台になっているだけに舞踏会のシーンをはじめとして衣装・美術はとっても豪華。監督のジャン=ポール・サロメ監督が影響を受けた映画に挙げたのが「マイノリティ・レポート」。ゆっくりご堪能あれ。どこか無機質にくすんだ町の雰囲気がそっくりです。ただラストはやや不満。無理やり終わらせたという感じ。続編は死んでも撮らんという監督の意志が見えてくるようだ。なんかあったのか。