☆人生とんぼがえり
☆人生とんぼがえり 10/10 高槻松竹セントラル(特集上映人生名画劇場)
★★★
→1955年の作品。監督はマキノ正博で主演は森繁久彌。マキノ正博は後世の東映の印象が強いが東宝において森繁を主演にした「次郎長三国志」シリーズを撮っており、森繁とも縁の深い監督です。1955年という年は、森繁が本作と久松静児監督の「警察日記」、そして豊田四郎の「夫婦善哉」で一気に日本映画を代表する俳優になった年でもう油が乗り切ってる。森繁の主演作品はもういっぱいありますが、代表作と言えばこの3人の監督の作品は外せません。この頃は日本映画が上り調子の頃で森繁もいろんな役柄をこなした。それが芸の幅を広げて、「銀幕の天才」と呼ばれる俳優に成長させた。幸福な時代であり、また森繁もその幸福をしっかりとつかんだ。そうした時代の映画です。昭和のはじめが舞台で森繁が演じるのは殺陣師の段平。新国劇の盟主・沢田正二郎が考える、新しいリアリズムのある殺陣の研究に没頭する。妻の山田五十鈴や娘の左幸子の力を借りて新しい殺陣を考えていくのがストーリーラインだが山田五十鈴とのやり取りが軽やかで何とも楽しい。仲のええ、大阪のオモロイ夫婦ぶりが微笑ましい。左幸子も健気で可愛いしね。老いぼれた段平が中風で寝ている国定忠治の命がけの殺陣を熱演するシーンは圧巻であるが、少し年寄りの演技がしつこい。前半の軽やかな感じが消えてしまったのが残念。沢田を演じた河津清三郎はゆったりとした節回しで大物らしい貫禄をたっぷり見せていた。ラストの「段平!」と叫ぶシーンが涙を誘う。なお、本作はマキノ監督が1950年に東横映画(東映の前身)で撮った「殺陣師段平」のリメイクで後に大映でも後に中村鴈治郎と市川雷蔵でリメイクしています。脚本は黒澤明で二作品ともクレジットされてますが、本作ではなぜかクレジットされていません。
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