浪人街

☆浪人街 9/20 京極弥生座1(京都映画祭)
★★
無声映画の大傑作「浪人街」のリメイク作品。オリジナルは山上伊太郎の脚本でマキノ省三の息子であるマキノ雅弘が監督。フィルムが現存していないのですが伝説的な名作として幾度かリメイクされています。本作は三回目で監督はオリジナルを撮ったマキノ雅弘で主演は近衛十四郎と藤田進。個性の強いキャラクターが繰り広げる群像劇でそれぞれのキャラクターが面白いので飽きずに見ることができる。「浪人街の白壁にいろはにほへとと書きました」と言うラストの文句がぐっとくるねえ。なお、ルポライターで映画にも造詣が深かった竹中労山上伊太郎にのめりこみ、深作欣二中島貞夫笠原和夫を巻き込んで「浪人街」のリメイクをプロデュースしようとして、キネ旬で一大キャンペーンをはります。が、3人とうまくいかずにリメイクは挫折。彼自身もライフワークの予定だった連載が打ち切られて箱根山に篭ることになります。(経過は竹中労の「日本映画縦断 3山上伊太郎の世界」と中島貞夫の「遊撃の美学 映画監督中島貞夫」に詳しい)その後、笠原和夫の脚本で黒木和雄が1990年にリメイク。マキノ雅弘はこの時も総監修を勤めています。なお笠原和夫が赤牛役にあて書きしていたのは桂枝雀でした。(実際に演じたのは勝新太郎)気最近もマキノノゾミの脚本で舞台化されています。