忍者狩り

☆忍者狩り 9/20 京極弥生座1(京都映画祭)
★★★★★
→江戸時代の隠密と藩に雇われた浪人達の血なまぐさい死闘を描いた、伝説的な集団時代劇。ニュープリントでスクリーンで見れる喜び。これが映画祭の醍醐味だろう。近衛十四郎佐藤慶河原崎長一郎山城新伍の浪人が天津敏演じる隠密に知恵と体力の全てを使って挑みかかる。ひりひりするような凄絶な抗争に謀略が白黒の画面に展開され、目を吸い付かせ、離れない。決闘シーンはもはや、チャンバラではない。当時、東映の時代劇は凋落の時期で様々な趣向をこらした時代劇映画が作られた。集団時代劇もそのひとつで本作はその代表作。若き日の中島貞夫鈴木則文、そして本作の監督となる山内鉄也らの助監督たちが新しい企画をやれ、われわれに映画を撮らせてくれとアジビラを京都撮影所で配ったことがあったそうです。大監督やベテランがいっぱいいる京都撮影所のことですから、首謀者は大目玉を食らったそうです。しかし翌年に京都撮影所の所長となった岡田茂は彼らを抜擢し、映画を撮らせます。忍者の集団時代劇、という岡田の案からできたのが本作でした。脚本はわけのわからん脚本を書きすぎて、岡田茂に嫌われて追放されたこともある高田宏治。撮影は「県警対組織暴力」など多くのヤクザ映画のカメラを担当した赤塚滋に「仁義なき戦い」のアクション指導をやった上野隆三も本作でデビュー。あらゆる意味で革新的な作品だったのです。