また逢う日まで 1950年 東宝

また逢う日まで 1/28 京都スカラ座(街の灯よ ありがとう ラストショー)
★★★
→1949年の「青い山脈」の大ヒットに引き続き、今井正が監督したメロドラマ。ガラス越しにキスをするシーンは有名ですな。戦争中から戦後にかけてのドラマで岡田英次久我美子のドラマを描いています。戦争から逃げ続け、恋愛にも臆病になっている岡田に比べて、自分を持ってまっすぐに歩んでいく久我のなんと強いことか。その母親の杉村春子も岡田の義姉の風見章子(この人も随分長く出てるな)も強く描かれていますが、岡田にしてもその友人もえらく弱い。いざという時はやっぱり女性の方が強いのかしら。

 かなりべたべたしたドラマでメリハリにはかけるが、中盤からラストにかけてのテンポはよかった。久我美子東宝ニューフェースの第一号で小作りで可愛らしい。

 監督の今井正は戦後すぐの東宝でヒット作を連発した監督ですが東宝争議のごたごたの中で山本薩夫らと共に馘首。以降は独立プロで「真昼の暗黒」という大ヒットをたたき出します。東映の重役だったマキノ光雄は「うちは右翼も左翼も関係あらへん。大日本映画党や」と言い放ち、今井正内田吐夢などの「主義者」と言われて敬遠されていた監督を登用し、今井監督も「米」や「武士道残酷物語」の傑作を生み出します。70年代後半からはさすがにペースは落ちましたが、晩年に「戦争と青春」を発表。最後まで映画を撮り続けた監督でした。

また逢う日まで [DVD]

また逢う日まで [DVD]

青い山脈 前・後篇 [DVD]

青い山脈 前・後篇 [DVD]

武士道残酷物語 [DVD]

武士道残酷物語 [DVD]

ひめゆりの塔 [DVD]

ひめゆりの塔 [DVD]