花影 1961年 東宝
☆花影 1/28 高槻松竹セントラル(女性映画傑作選10)
★★
→川島雄三監督作品。脚本は菊島隆三。男に振り回され続けるバーの女をじっくりと描いた作品だが、ちとテンポが悪かった。
主演は池内淳子。彼女は新東宝出身の女優で新東宝倒産後はテレビや東宝の喜劇シリーズによく出演しています。印象に残っているのは「男はつらいよ 寅次郎恋歌」で演じた、女手一つで喫茶店を経営し、子どもを育てるマドンナ役かな。ふっくらして目に色気のある、綺麗な女優さんなんだがちと芝居が固いように思う。本作でも気の毒な女を演じているのだが、悲劇のヒロインすぎてもう一つ好きになれなかった。
彼女を取り巻く男たちは佐野周二、高島忠男、池部良、有島一郎、三橋達也でそれぞれに独特なキャラクターであったが佐野周二のいい奴なのか悪い奴なのかさっぱりわからん、なぞめいた演技が一番すごかった。女優ではちまちまと小言を言い続ける山岡久乃も面白いが、二号さんから宿の女将になった淡島千景の神妙な演技がよい。この人はドラマでもコメディでも主演でも脇役でも、もうなんでもうまい。改めてすごい女優さんだと思う。
ラストはさすが川島監督という感じでひとひねりしているが、映画の印象を劇的に変えるには至っていない。
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