ジーナ・K
★ジーナ・K 11/6 シネ・ヌーヴォ
★★★
→ほぼ半年ぶりにシネ・ヌーヴォに行ってきた。ここの椅子は大変にボロかったんだが、椅子が見事に新調されていた。ここで映画を見るときは大体、日本映画の特集で3本ぐらいまとめて見る。もうお尻が痛くて仕方なかったんだがこの椅子なら耐えられそうだ。嬉しい。
さて久々に見た日本映画は「ジーナ・K」。監督は石井聰亙、橋口亮輔(「ハッシュ!」の監督ですな)の助監督だった藤江儀全でこれが長編デビュー作。生まれ故郷の中洲を舞台にしたストリッパーの母親と歌手を目指す娘の物語です。登場人物が多すぎて、人間関係が分かりにくい上に展開が忙しくて、もうがちゃがちゃした映画になってましたが、まあ飽きずに楽しめることができた。新人監督にありがちなことでしたが、これもいれたい、あれもいれたいでもうてんこもりになってしまうんですな。こいついるか?と思う登場人物も数人いるし、展開に無理があるところも。
が、俳優に助けられました。主演は歌手のSHUUBI。「月とキャベツ」の山崎まさよしのようにデビュー作で恐ろしくいい演技してしまう人がたまにいるが、SHUUBIもまさにそうで、ぎこちなさを全く感じさせなかった。独白もあったし、感情を露にするシーンもあったし、かなり難しかったと思いますが本当に見事。SHUUBIはファーストアルバムの「愛の種目」の頃から好きで一時は彼女がやってたラジオも聞いていました。セカンドアルバムを出してから事務所を辞めてしまってしばらく、音沙汰がなかったのですがオリジナルレーベルをたちあげて見事に復活。今年の7月にはアルバムも出しています。昔から可愛かったがめっちゃ可愛くなってるぞ。映画のテーマ曲になった「ハジマリノウタ」も声に力がこもっていて、気に入りました。アルバムも買いました。
母親のストリッパーを演じたのは石田えり。「female/玉虫」もすごかったですが、本作でも堂々の脱ぎっぷりでおっそろしいほどの存在感を持っています。ポツリと「生きてりゃ、いつかは会える」とつぶやくシーンがよかった。光石研、ARATA、片岡礼子、永瀬正敏と芸達者な役者さんが脇を固めて、きっちりと映画の雰囲気を作っています。光石研は本当にうまいですなそれからジーナ・Kを追うドキュメンタリー作家を演じたウィレム・デフォーみたいな人は石井聰亙監督です。
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