七人の弔

七人の弔 10/16 京都シネマ
★★
たけし軍団の才人・ダンカンの初監督作品。ダンカンが初めて脚本を書いた「生きない」という作品があって、これが結構面白かったので期待していたのだが、あんまり面白くなかった。完成度も割りと高いし、登場人物が多い割にはサクサクとストーリーを進める演出のテンポはまあいいと思う。「生きない」は自殺ツアーに何も知らない少女が紛れ込むというストーリーだけで一気に仕上げた映画であるが、一つの面白いアイディアがそれだけで充分に面白い作品ができるという言葉を実証した傑作であった。ダンカンは「生きない」を二週間で脚本を仕上げたらしいが、簡潔にまとまって展開もスピーディーで面白いのだ。本作では似たような構図であるが、子どもの臓器を売るという話があまりにもリアリティに欠けており、嘘っぽい話になってしまった。ブラックユーモアをピリリと聞かせた寓話的なストーリーを狙ったものであることはわかるが、駄目人間をこれでもかと描くことでストーリーからスピーディーさが抜け落ちて見てて大変にしんどい作品になってしまった。はっきり言って悪趣味であるし、正直笑えん。それから子役のあまりにもひどい演技力の無さ。演技力のない俳優は演出でカバーするのだが、初監督ではそれも無理な話で子役がぐるんぐるんと空回りしてて居たたまれない。よかったのは渡辺いっけいのクソっぷり。現在、放送中の朝の連ドラ「風のハルカ」で子煩悩な父親を演じているがそれとは対照的な見事にカスみたいなオッサンを本当に楽しそうに演じている。この人はホンマに演技うまいわ。それから、いしのようこはいつまでも綺麗だな、本当に。ダンカンは次回作に期待だな。

生きない [DVD]

生きない [DVD]

みんな?やってるか! [DVD]

みんな?やってるか! [DVD]

蜘蛛の瞳 [DVD]

蜘蛛の瞳 [DVD]