☆炎上 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)
☆炎上 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)
★★★★★
→三島由紀夫の原作を映画化したもの。会社は乗り気ではなかったが雷蔵は監督の市川崑と一緒に説得に当たったと言う。勝新太郎に比べると大人しい印象のある雷蔵だが実物は「ゴテの雷蔵」と呼ばれて監督にも意見をバンバン言うし、気に入らない台詞やシーンがあると納得いくまで監督に説明を求めた人でもあった。大映の社長だった永田雅一も雷蔵には勝てなかった。雷蔵は歌舞伎の世界から映画界に入った人で歌舞伎の名作を映画化したものへの出演が多くて本人の希望もそこにあったみたいだが、本作品で現代劇に初挑戦している。演技の幅を広げたいという気持ちが強かったのだろう。世の中に絶望してどううまく生きていくかしか考えていない仲代達矢や恐ろしく人間くさい中村鴈治郎と対照的に世間におびえながら何かを懸命に守っている一人の青年を懸命に演じていた。監督の市川崑は「雷ちゃんが野良犬の後ろを歩いていくシーンを見て思わず涙が出た」と語っている。決してかっこいい役柄でない、どもり症の暗い男である。雷蔵にとってはもちろん、こんな役柄は初めてであった。本作で雷蔵はブルーリボン賞をはじめとした主演男優賞を受賞。雷蔵の代表作となった。なおお母さん役に北林谷栄。この人はこんな昔からおばさんだったのか。。
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2004/10/22
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