市川雷蔵

田中徳三監督、逝く

12月22日に田中徳三監督が亡くなった。享年87歳。晩年まで様々な映画のイベントに参加された方で私も数回、お話を聞かせてもらったこともあるし、サインも頂いた。今年の湯布院映画祭でお元気な姿を見ているだけにこの度の訃報は寂しい。まあ御年からすれば…

犬塚稔、死去

犬塚稔が亡くなった。1901年生まれで享年106歳。22歳の年に関東大震災を経験し、(被災はしていない)長谷川一夫のデビュー作「稚児の剣法」を監督した人なので、もはや映画史上の人であった。先日、湯布院映画祭で撮影監督の森田富士夫氏にお話を…

☆鯉名の銀平

☆鯉名の銀平 7/20 みなみ会館 市川雷蔵映画祭2005雷蔵忌スペシャル・セクション ★★★★ →市川雷蔵、勝新太郎と仲が良かった田中徳三の監督作品。「悪名」シリーズのほとんどと「兵隊やくざ」シリーズ、「座頭市」シリーズでの勝新太郎との仕事が著名で…

☆おけさ唄えば

☆おけさ唄えば 7/20 みなみ会館 市川雷蔵映画祭2005雷蔵忌スペシャル・セクション ★★ →職人・森一生が市川雷蔵を主演で撮ったプログラムピクチャー。脚本が東宝の社長シリーズを始めとした喜劇映画の旗手だった笠原良三。この人は東宝のイメージが強…

☆ある殺し屋 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆ある殺し屋 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →市川雷蔵と言えば時代劇であるが、現代劇でもすぐれた作品を残している。本作で雷蔵は頭をくっきりと七三に分けて、コートにサングラス姿で登場。隠れ家にいる時はセーター姿でいつもの雷…

☆陸軍中野学校 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆陸軍中野学校 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →雷蔵は後年、時代劇だけでなく現代劇にも印象的な作品を残している。本作はそのうちの1本で後に5作続くシリーズものになった。監督は増村保造。戦争中のスパイ養成学校を舞台にしたサス…

☆好色一代男 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆好色一代男 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →雷蔵は積極的に自分の企画を出していた人で、この作品も雷蔵の念願の企画。監督はこの作品で初めて雷蔵と初めて組んだ増村保造。増村の登用も雷蔵の希望だったとか。雷蔵と増村の組み合わ…

☆ぼんち 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆ぼんち 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★★ →市川崑監督作品。山崎豊子の小説の映画化で先に松竹が津川雅彦で映画化を進めていたのだが、山崎が原作権を渡したのは市川雷蔵を主演に考えていた大映の方だった。山崎は市川雷蔵のファンだっ…

☆炎上 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆炎上 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★★ →三島由紀夫の原作を映画化したもの。会社は乗り気ではなかったが雷蔵は監督の市川崑と一緒に説得に当たったと言う。勝新太郎に比べると大人しい印象のある雷蔵だが実物は「ゴテの雷蔵」と呼ばれ…

☆破戒 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆破戒 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →島崎藤村の代表作を市川崑が映画化。市川雷蔵は市川崑を大変に尊敬しており、「炎上」「ぼんち」とこの3作品で組んでいるがどれも傑作である。脚本は市川崑の伴侶でもあった名脚本家の和田夏十で…

☆忍びの者 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆忍びの者 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →手に汗を握らせるような緊張感を常にスクリーンで漂わせり演出はさすが。伊藤雄之助の分かりやすすぎる悪役ぶりに翻弄される市川雷蔵と非常にわかりやすいエンターティメントになっている。…

☆大菩薩峠 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆大菩薩峠 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →近代文学においても最も救いのない作品といわれた「大菩薩峠」の映画化。巡礼の老人を顔色一つ変えずに斬り捨てる虚無的な机龍之介を市川雷蔵が演じている。陽気で華やかな若侍役もよく似合う…

☆弁天小僧 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆弁天小僧 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →市川雷蔵が大映を選んだ理由は伊藤大輔と溝口健二がいたからだったらしい。その伊藤大輔が監督になったのがこの作品。ストーリーは古典的で退屈だが、市川雷蔵演じる弁天小僧をはじめとする盗賊…

☆蛇姫様 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆蛇姫様 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★ →天皇と呼ばれた渡辺邦男監督の作品。この人が早撮りが得意だった。古典的な時代劇であんまり入り込めなかった。市川雷蔵は親と妹の敵を狙う侍で旅役者に身をやつしている。踊りを披露するシーンが…

☆眠狂四郎 女妖剣 5/31 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆眠狂四郎 女妖剣 5/31 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →現在でもドラマを中心に活躍中の池広一夫監督のシリーズ4作目。狂四郎の過去が明らかになる作品で狂四郎の異常性が強調されている。狂った姫に殺された腰元の死体が上がるところから映…

☆眠狂四郎 無頼剣 5/31 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆眠狂四郎 無頼剣 5/31 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →シリーズ8作目。脚本は伊藤大輔で監督は三隅研次。ニヒルでおよそ人助けというものを考えない狂四郎が江戸の民衆のためにテロリストの企てを砕くという異色な作品。「オレはおよそまと…

☆鯉名の銀平

☆鯉名の銀平 7/20 みなみ会館 市川雷蔵映画祭2005雷蔵忌スペシャル・セクション ★★★★ →市川雷蔵、勝新太郎と仲が良かった田中徳三の監督作品。「悪名」シリーズのほとんどと「兵隊やくざ」シリーズ、「座頭市」シリーズでの勝新太郎との仕事が著名で…

☆おけさ唄えば

☆おけさ唄えば 7/20 みなみ会館 市川雷蔵映画祭2005雷蔵忌スペシャル・セクション ★★ →職人・森一生が市川雷蔵を主演で撮ったプログラムピクチャー。脚本が東宝の社長シリーズを始めとした喜劇映画の旗手だった笠原良三。この人は東宝のイメージが強…

ある殺し屋〜俺の仕事に仲間はいらない。死刑台に上るのは俺一人でたくさんだ〜

今日、紹介するのは市川雷蔵主演の「ある殺し屋」。1967年の作品で監督はイッショウさんと呼ばれた森一生。大映創立以来の生え抜きの専属監督で大映を代表する監督の一人です。戦前に京大を卒業した超インテリでしたが、早撮りを得意としたプログラムピ…

☆ある殺し屋 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆ある殺し屋 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →市川雷蔵と言えば時代劇であるが、現代劇でもすぐれた作品を残している。本作で雷蔵は頭をくっきりと七三に分けて、コートにサングラス姿で登場。隠れ家にいる時はセーター姿でいつもの雷…

☆陸軍中野学校 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆陸軍中野学校 6/24 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →雷蔵は後年、時代劇だけでなく現代劇にも印象的な作品を残している。本作はそのうちの1本で後に5作続くシリーズものになった。監督は増村保造。戦争中のスパイ養成学校を舞台にしたサス…

☆好色一代男 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆好色一代男 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →雷蔵は積極的に自分の企画を出していた人で、この作品も雷蔵の念願の企画。監督はこの作品で初めて雷蔵と初めて組んだ増村保造。増村の登用も雷蔵の希望だったとか。雷蔵と増村の組み合わ…

☆ぼんち 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆ぼんち 6/23 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★★ →市川崑監督作品。山崎豊子の小説の映画化で先に松竹が津川雅彦で映画化を進めていたのだが、山崎が原作権を渡したのは市川雷蔵を主演に考えていた大映の方だった。山崎は市川雷蔵のファンだっ…

☆炎上 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆炎上 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★★ →三島由紀夫の原作を映画化したもの。会社は乗り気ではなかったが雷蔵は監督の市川崑と一緒に説得に当たったと言う。勝新太郎に比べると大人しい印象のある雷蔵だが実物は「ゴテの雷蔵」と呼ばれ…

☆破戒 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆破戒 6/19 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →島崎藤村の代表作を市川崑が映画化。市川雷蔵は市川崑を大変に尊敬しており、「炎上」「ぼんち」とこの3作品で組んでいるがどれも傑作である。脚本は市川崑の伴侶でもあった名脚本家の和田夏十で…

☆忍びの者 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆忍びの者 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★★ →手に汗を握らせるような緊張感を常にスクリーンで漂わせり演出はさすが。伊藤雄之助の分かりやすすぎる悪役ぶりに翻弄される市川雷蔵と非常にわかりやすいエンターティメントになっている。…

☆大菩薩峠 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆大菩薩峠 6/11 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →近代文学においても最も救いのない作品といわれた「大菩薩峠」の映画化。巡礼の老人を顔色一つ変えずに斬り捨てる虚無的な机龍之介を市川雷蔵が演じている。陽気で華やかな若侍役もよく似合う…

☆弁天小僧 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆弁天小僧 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★★ →市川雷蔵が大映を選んだ理由は伊藤大輔と溝口健二がいたからだったらしい。その伊藤大輔が監督になったのがこの作品。ストーリーは古典的で退屈だが、市川雷蔵演じる弁天小僧をはじめとする盗賊…

☆蛇姫様 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭)

☆蛇姫様 6/1 高槻松竹セントラル(市川雷蔵映画祭) ★★ →天皇と呼ばれた渡辺邦男監督の作品。この人が早撮りが得意だった。古典的な時代劇であんまり入り込めなかった。市川雷蔵は親と妹の敵を狙う侍で旅役者に身をやつしている。踊りを披露するシーンが…

忍びの者〜リアリズム忍者映画〜

今日、紹介するのは市川雷蔵映画祭から「忍びの者」。市川雷蔵の後期の代表作の一つで全8作の人気シリーズになっています。監督は山本薩夫。成瀬巳喜男の弟子の一人として東宝で映画を撮りますが戦前からの筋金入りの共産党員であったために1948年の東宝争議…