亡国のイージス 

亡国のイージス 8/14 TOHOシネマズ高槻スクリーン3
★★
福井晴敏イヤーの今年の真打ち、「亡国のイージス」を見てきた。前二作に比べると圧倒的に面白いが非常に雑な作品であった。登場人物が多くてほとんど背景の書き込みがないので全然登場人物に感情移入できんのだ。最も主軸になる真田広之は実にわかりやすいキャラクターでアクション映画らしい主人公になっていた。が、佐藤浩市はどういうキャラなんかよくわからんし、中井貴一も中途半端だ。注目すべきはアクションシーンで洋画を見ているように壮大な画面作りになっている。音楽と編集を聖林のスタッフにやらせるだけで随分変わるもんだと思った。でも洋画見ればいい話だしな。。樋口真嗣ならともかく、人間のドロドロとしたドラマを緊張感たっぷりに描いてきた阪本順治がこんな作品を撮っちゃいかんよ。この人の作品は全部見てるけど「顔」以降は正直、もう一つやな。。それから製作のゴリ押しだとは思うが「半落ち」を彷彿とさせるためか寺尾聰原田美枝子を夫婦にしている。こういうことは能無しの監督がやることなのでやめた方がいい。真田広之中井貴一佐藤浩市と90年代の日本映画を支えた俳優が一堂に顔を揃えているのも感慨深い。が、それでこの程度の作品かとも思う。

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)

オール・アバウト・如月行 もうひとつの「亡国のイージス」

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