female〜こんばんは!ゴートーです!〜

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 今日、紹介するのはJam Filmsシリーズの最新作になる「female」。第一線で活躍する女性作家5人の短編をそれぞれ映画化したオムニバス作品集。作家の顔ぶれは姫野カオルコ室井佑月乃南アサ唯川恵小池真理子。小説を読む習慣がない私でも*1名前は知っている有名な作家さんばかりですな。作品は一度も読んだことないけど。原作があってプロデューサーの目にとまって映画化、というのが普通ですがこの企画のユニークなところは当初から映画化の話があって、それから小説。つまり映画の原作を書いてくれ、ということですな書き下ろしは昨年の小説新潮5月号に掲載されてその年の12月には新潮文庫から発売されています。

female(フィーメイル) (新潮文庫)

female(フィーメイル) (新潮文庫)

 作品が完成してから映画監督探しが始まって昨年の夏には撮影。映画監督の顔ぶれは篠原哲雄廣木隆一松尾スズキ西川美和塚本晋也。日本映画が好きな人ならば皆が知っている映画監督ばかりですな。。あ、西川美和さんは知らん人がいるかもしれませんが、是枝裕和のお弟子さんで「蛇イチゴ」って言う映画を撮った女性監督です。女性の様々なエロスを描くという触れ込みで女性の観客がメインターゲットだったらしいですが、封切初日の昼下がりのみなみ会館はガラガラでオッサンが多かったです。なぜか、ビールをもらいました。感想は順番に書いていきます。

「桃」
監督:篠原哲雄 脚本:公園兄弟(真辺克彦、鴨義信) 撮影:上野彰吾 原作:姫野カオルコ
出演:野村恵里池内博之長谷川京子

主演は今をときめく、長谷川京子。やっぱかわいいですね。人を見下したようなキッツイ目つきに肉感的な二の腕。出来ればあの二の腕でチョークスリープかけて絞め殺して欲しいですね!

えー。。。今ので読むのが辞めた人が3人はいますね。続けます。

エロスをテーマにした作品なれど彼女の濡れ場は全くなし。期待した人は残念!という感じですがラストの桃を食べるシーンが何とも色っぽい。桃を舌でベロンとなめてから、食べるというよりもしゃぶる感じで軽く歯を立てる。もちろん、メタファーっすよ。さすがアイドル映画の達人、篠原哲雄。グッジョブだ。野村恵里の小ぶりなおっぱいを揺らしての必死なセックスシーンも印象的でしたが、やはり妄想をかき立ててくれるラストに一本。しかし野村恵里もこんな役やるんですねえ。新山千春に引き続いてセブンイレブンのCMにも出てたんですが。天下のホリプロやぞと思ってたらタレントファイルから名前消えてるやん。「メノット」で脱いで引退してしまった藤本綾の二の舞か?それから人の過去をほじくりかえす田舎の人間の無遠慮さがなかなかにリアルでした。池内博之はもっとからむと思いきや、不発。

「太陽の見える場所まで」

監督:廣木隆一 脚本:及川章太郎 音楽:今井了介 撮影:鈴木一博 原作:室井佑月
出演:片桐はいり石井苗子大塚ちひろ

5本の中ではこの作品が一番好き。タクシー運転手(片桐はいり)にタクシー強盗(大塚ちひろ)、年増のホステス(石井苗子)が繰り広げるタクシー車内での密室劇。エロスは石井苗子ヌーブラ姿ぐらいで(だって片桐はいりに脱がれたら困るやろ?)テンポよく、会話劇で楽しませてくれる。バカ女丸出しの大塚ちひろ、600万も借金を抱えて後が無い石井苗子、生活に疲れきった片桐はいりとキャラクターがしっかり描かれている。舞台劇のようなやり取りが楽しい。黛ジュンの「天使の誘惑」をフリ付きで踊るシーンが素敵過ぎていつまでも耳に残る。

「夜の舌先」
監督、脚本:松尾スズキ 撮影:山中敏康 原作:唯川恵
出演:高岡早紀近藤公園ルビー・モレノ、高谷基史

今、高岡早紀ほどこの手の役が似合う女優さんはいないだろう。性にも生活にもだらしない、ぼんやりとした頭の悪そうな女が本当によく似合う。(えーほめ言葉です)この人も離婚してから本当にいい演技するようになったわ。彼女が夢の中で男とセックスしまくるストーリーなんだが、監督が松尾スズキでは普通の映画にゃなりません。なんと相手が近藤公園君でございますよ。「チュウしたら・・意外といい仕事しそう」と妄想たっぷりにうっとりと目を閉じる高岡早紀に思わず背筋がぞくり。でも乳首は出さねえんだよな。手押し車セックス(言わば立ちバック)でイッてしまうシーンはエロといういうよりもギャグでやっぱり一筋縄にゃいかない作品。

「女神のかかと」
監督、脚本:西川美和 撮影:山崎裕 原作:乃南アサ
出演:大塚寧々、森田直幸、藤原希 

蛇イチゴ」の西川美和が監督。小またが切れ上がった女ってのはこんなんだろうなあ、と思わせる大塚寧々がむせ返るような色気を出しています。脚が綺麗ですね。特にすねが綺麗。あの脚で思いっきり踏んで欲しいですね


えー。。続けます。エロスを正面から描くのではなく、少年の視点からこっそりと垣間見たという感じでテンポよく描いてて楽しめました。少年役の森田直幸君は「機関車先生」に出てた子ですね。大塚寧々にドギマギしてたのは演技ではないと思います。

「玉虫」
監督、脚本、編集、撮影:塚本晋也 原作:小池真理子
出演:石田えり小林薫加瀬亮

石田えりもかなりいい年なんだが、もうひたすらにエロい。「釣りバカ日誌」に出ててもエロかったしなあ。田舎の一軒家で小林薫に腿をまさぐられて、耳元で言葉責めされるシーンは隣家のセックスを盗み見してるみたいで興奮して思わず勃起してしまった。ピンクのバレリーナ姿で「渚のシンドバッド」をフリ付きで楽しげに踊るシーンはアンバランスなんだがすごくキュートでため息をついてしまった。退廃たっぷりのムードの中でのさわやかなラストに爽快感を感じる。さすが、塚本晋也だ。

 まあ監督は一流ぞろいですので見ても原作知らない人でも純粋に楽しめると思います。ただもう、短編はオールスターの責任投球回数みたいでやっぱ完投できる投手は一試合投げ抜いて欲しい。短編ブームが割りと早く過ぎ去ってしまったのは、みんなが飽きてしまったからだろう。まあこの5作品は短編を意識して作られているので、うまくまとめていますが。なおオープニング、インターバル、エンディングにダンスが入る。悪くはないが、浮いていたと思う。

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*1:ルポや映画評論は読むけど小説は映画の原作ぐらいしか読まねえ