<シネマ歌舞伎第一弾>野田版・鼠小僧 4/29 MOVIX京都シアター12

シネマ歌舞伎第一弾>野田版・鼠小僧 4/29 MOVIX京都シアター12
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→復調しつつある松竹が繰り出したシネマ歌舞伎シリーズのこけら落としになった作品。鬼才・野田秀樹の演出で平成15年8月に歌舞伎座で上演された歌舞伎を撮影して、編集したものです。歌舞伎ってのは滅法面白くて、楽しいのだが、その醍醐味はやはり舞台特有の臨場感にある。従来の舞台中継にはそれがないので、物足りなくてテレビで見ててもあんまり面白くないのだ。このシネマ歌舞伎はというのは歌舞伎をHD高性能カメラで収録して、映画館で豪華な音響でデジタル上映をするというもので、大勢で見ることで生の醍醐味を味わってもらおうという企画。渋谷で劇団☆新感線の舞台「髑髏城の七人〜アカドクロ」をデジタル上映したのがそのきっかけ。東京の東劇からスタートしたが、新築されたスクリーンでの上映こそがこの映画にはふさわしい。京都で封切された4月23日、MOVIX京都は旧京都松竹座の跡地に4スクリーン含む二番館を建設。そのお披露目に新スクリーンにてこの映画を上映。やるじゃん、松竹。その心意気だけでも五つ星だが、作品も豪華キャスト陣の魅力を余すことなく、目一杯に引き出して、とっても面白い作品になっている。出てくる奴らが悪い奴ばっかで、(なんと大岡越前までが悪人である!)とっても面白い。中村七之助演じる因業な娘も面白いし、中村橋之助坂東三津五郎中村福助の掛け合いも爆笑もん。賑やかな映画でここ最近で一番、スカッとした作品であった。生で見るのが一番いいんだろうが、これはこれで乙。思わず、掛け声をかけてしまうお爺様もいましたよ。

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