瀬降り物語

☆瀬降り物語　１１／８　シネ・ヌーヴォ（遊撃の美学　映画監督中島貞夫）
★★★
→中島貞夫が若い頃から興味を持っていた「サンカ」を主人公に山の中で低予算で撮りあげた労作。解放同盟とももめたみたいだし、興行的には惨敗で中島貞夫はこの後、四年間は映画を撮っていません。脚本も戦争中の時代背景を織り込んでしっかり書かれてるんだがどこも散漫とした感じを受ける。ただ撮影は山で長く時間かけて撮ってるだけあって映像は大変に綺麗。ピラニア軍団の野口貴史は出演だけでなく助監督にコックまでやったとか。ショーケンが主演で音楽コーディネーターもやってる。（音楽はもうひとつ）脱ぎも辞さずで頑張った河野美地子は上野樹里に似ててかわいい。原案になったのは一時期大流行した三角寛のサンカ小説。なお三角寛の娘さんは池袋文芸座（今の新文芸座）の支配人だったとか。サンカについて知りたい人は沖浦和光の「幻の漂白民・サンカ」を参考に。「瀬降り物語」について触れられたところもあります。

幻の漂泊民・サンカ (文春文庫)