脱獄・広島殺人囚＜ニュープリント版＞

☆脱獄・広島殺人囚＜ニュープリント版＞　１１／８　シネ・ヌーヴォ（遊撃の美学　映画監督中島貞夫）
★★★★★
→「仁義なき戦い」以前の松方はその二枚目ぶりからどこか気弱い若親分や主人公の気のよい友人などの役が多かったらしい。「仁義なき戦い」で親分を神輿呼ばわりする、ものすごいヤクザを演じて松方の中で何かが変わったのだ。ＮＨＫ大河ドラマの「勝海舟」で渡の代役として一年映画を離れて帰ってきたのがこの映画。美能幸三が刑務所で出遭った、脱獄ばかり繰り返す実在のヤクザがモデルになった刑務所もの。松方演じる脱獄囚のバイタリティがすさまじい。パワフルで演じてる方も撮ってる方も楽しんでるなというのが画面からにじみ出てくる。テンポがものすごくよくて、人を食ったような音楽に乗せて松方が縦横無尽に暴れまくる。映画館で警察をなめて銃をぶっ放したけど、ＧＨＱが来た途端に射殺されると銃をバタリと落とすシーンや鎧の中に隠れるシーンなどが最高に楽しい。松方の独白形式のどこかのんびりとしたナレーションもよくあっている。

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