キネマの星座2004年日本映画ベスト
さて「キネマの星座」2004年日本映画ベストテンですが、こんな感じになりました。
1位:下妻物語 6/4 TOHOシネマズ高槻 スクリーン1
→濃いキャラクターを色鮮やかに並べて、奇想天外なストーリーを作っていく映画は数多くあるが、キャラクターに引っ張られて脱線して楽屋オチみたいな感じで終わる映画が多い。この映画の出色なのは、トンでもない世界を展開しながらも真っ当な青春映画になっていることだろう。ハイテンポで突っ走りながらもぶれることなく、撮りあげた監督の力量は凄い。
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2位:血と骨 11/6 TOHOシネマズ高槻プレミアスクリーン
→金俊平という男を通じてその背中にうつる日本の戦後史までも取り入れた、崔洋一が綴ったサーガ。ビートたけしの役者としての魅力が精一杯に生かされた作品。
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3位: お父さんのバックドロップ 12/12 京都シネマ2
→大阪の下町を舞台にした泥臭い人間喜劇。ギャグをふんだんに取り入れて楽しい雰囲気がよく出てる。
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4位: きょうのできごと a day on the planet 4/10 MOVIX京都シアター7
→何気ない日常の生活を丁寧に切り取った作品。出てくる登場人物の全てが魅力的で楽しい群像劇になっている。演出にメリハリがあり、テンポが心地よい。
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5位:レディ・ジョーカー 12/17 TOHOシネマズ高槻4
→徹底して抑えた演出で淡々とカットを積み重ねることで、「流されるままに生きている人間」を描いた見事な人間ドラマになっている。
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6位:ラブキルキル(映画番長) 11/13 シネ・ヌーヴォ
→自分のことしか好きでない人たちが自分の幸せに向かって突撃して頭をごっつんこするような映画。津田寛治の怪演が楽しい。
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7位:ふくろう 2/21 シアター・イメージフォーラム
→現役最高齢の新藤兼人が贈る、ドキドキのブラックコメディ。殺人を繰り返していく大竹しのぶが爽快。
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8位:バーバー吉野 8/19 みなみ会館
→田舎を舞台にした、ふんわりとした不思議な感じの可愛らしい映画。もたいまさこが出色。
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9位:誰も知らない 8/14 動物園前シネフェスタ4(Screen1)
→ギリギリにまでリアルを求める是枝の演出が際立った作品。地味ながら心に刺が残っていつまでもこの映画が気になってしまう。
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10位:ユダ(映画番長) 11/13 シネ・ヌーヴォ
→映画番長のリーダー的な存在である瀬々敬久が本気全開のフルスロットルで撮り切った作品。岡元夕紀子の魅力をしっかり惹き出して、光石研や三浦誠己をうまく使いこなした傑作。
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11位:海猿 6/28 イオンシネマ久御山7
→ストーリーに目新しさはないが、丁寧に作りこまれた佳作。伊藤英明を始めとする若手俳優の魅力でいい映画になっている。
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12位:マインド・ゲーム 8/22 みなみ会館
→テンポよく、物凄くわかりやすいテーマをわかりやすく描いたぶっ飛ばしムービー。今田が「ぼくんち」に引き続いて好演。(声優だけど)
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13位:問題のない私たち 5/22 第七藝術劇場
→中学生のイジメを正面斬って描いた作品。黒川芽衣や沢尻エリカもステキだが対比される駄目大人の勝村政信、野波麻帆も見事。
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14位: スウィングガールズ 10/11 TOHOシネマズ高槻4
→思いっきりベタなストーリーを違和感なく、クールにスマートで仕上げる才覚もたいしたものだが、日本映画を見ない人たちにも「面白そう」と思わせる雰囲気を持った映画に作り上げた矢口監督はプロデューサー的な能力も充分だと思う。これからもこの人の映画は楽しみ。
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15位:SURVIVE STYLE5+ 10/10 ナビオTOHOシネプレックス シアター6
→如何にして日本映画らしくない映画を撮るか、に中心をおいた、らしくない作品。前半のテンポのよさが後半にまで続いてたらベストテン入りだったのに。日本映画が嫌いな方にもこれなら大丈夫でしょう。神木隆之介君が大変に可愛らしい。
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16位:笑の大学 11/7 TOHOシネマズ高槻1
→正直、全く期待してなかった稲垣が嬉しい誤算でなかなかよい演技をしていた。後半がちともたつくが、楽しい映画になっている。
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17位:69 sixty nine 7/10 TOHOシネマズ高槻 スクリーン6
→クドカン脚本のぶっ飛ばし青春活劇。小ネタも適当に散りばめて飽きさせずに見させる工夫がされている。オープニングがポップでいい感じだ。
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18位:ハウルの動く城 11/20 TOHOシネマズ高槻2
→はっきり言って中途半端な作品だし、本人も映画作りに飽きてきたのか、後半は完全に投げたような形になっている。が、それでも面白いし、もう一度見に行きたいなという気にさせる映画にしてるのがうまい
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19位:約三十の嘘 12/29 みなみ会館
→しゃべくりの積み重ねで、観客を惹きつけていく大谷監督の手法は健在。出てくるキャラクターがよく練りこまれている。CKBの音楽もぴったり。
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20位:リアリズムの宿 6/26 テアトル梅田2
→山下敦弘の持ち味が充分に生かされた作品で爆笑の連続というより、くすくす笑いが劇場全体から巻き上がるような感じがたまらなく、好き。
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2003年まで非常にいい感じに来ていた日本映画界だが、2004年ははっきり言って不作の年であった。ヒット作が相次いで日本映画が客を集めているのは結構なことなのだが、作品の質は落ちてきている。韓国映画の隆盛が続いているだけに今の状態は寂しくなってしまう。文句なしでよかったのは「下妻物語」「血と骨」「お父さんのバックドロップ」だけで低調に終わった。フジテレビが本格的に映画製作に乗り出してきてかつての東宝のようになろうとしている。来年にその動きは最も顕著になるだろうが安易に勝ちを拾う形で作品を作っていた。(若者の日本映画アレルギーを治したという功績はある)90年代初頭の邦画暗黒期がまたやってくるような気がする。
大手系もひどいものだったが単館公開系でも目だった作品は少なかった。四畳半映画の自己満足みたいな映画も多く見られた。DVD発売が当たり前になって映画を作りやすい環境になっていると思うのだがどれも似たような作品ばかりになっているのは気のせいか。今年はアニメと漫画原作の映画が話題になったけど、どれもさっぱりだったしね。プロデューサーに気概がないんだわな。売れ筋ばっかおってるだけで、似たような映画しかできない。そんな中、低予算の企画「映画番長」は気を吐いた。他業種からの新人もたくさん出てきてそれなりに面白い作品もあったが石石玉石石混合。映画でメシ食ってきたベテラン勢にこれが映画だ!と喝入れて欲しいところだけど、これも元気なかった。もう少し頑張ってもらいたい。それから三池崇史はもういいや。