ニワトリはハダシだ - ほぼ日本映画専門サイト「キネマの星座」

ニワトリはハダシだ　２／１１　ＭＯＶＩＸ京都シアター２
★★★
→松竹喜劇の旗手であった森崎東の最新作。まずは素直に御年７８歳の森崎監督が８年ぶりに映画を撮ることができた、ということを素直に喜びたい。作品自体の質はさておきとしてだ。

　正直な感想を書くと取り立てて面白いとは思わんかった。登場人物も多すぎだし、きわどい題材も扱い方が中途半端でインパクトには至っていないし、社会批判もありがちで空回りしている。しかし、まあ楽しんで見てられたのはやはりテンポのよさと盛り上げるところはきっちりと見せてくれる、確かな演出力の賜であろう。

　しかし今回、森崎東監督ベストセレクションと題してリバイバル上映が行われたがこれが本当によくできた作品揃いでそれと比べると「やっぱ寄る年並みかな。。」と思ってしまう。熱狂的な森崎ファンが多かったのもわかる。本作にもその片鱗は見れるのがやっぱりなあ、なんか物足りない感じがしてしまう。

　浜上竜也、守山玲愛、肘井美佳、加瀬亮と言った若い俳優から原田芳雄、石橋蓮司、倍賞美津子などのベテランまでのキャストの魅力がこの映画の醍醐味であろう。そうした演技を引き出すのも監督の力量とも言えるんですが。。ちなみに次回作は尼崎が舞台だそうです。まだまだ生きよるでえ、この爺さん。