素晴らしき日曜日

素晴らしき日曜日 10/16 京都文化博物館
★★★★
→黒澤が1947年に撮った作品。前作「わが青春に悔いなし」は民主主義の喜びを前面に出した、夢のある映画でしたが(GHQの要請もあった)本作では若者の現状を描いています。当時の東宝は組合運動で混乱状態になっており、スターが使えなかった。それを逆手にとって若者をリアルに描こうと、主演には無名だった沼崎勲と中北千枝子を起用しています。ロケーションを中心にいまだ復興途上で焼け跡が広がっていた東京を生々しく描き出しています。ラストの中北千枝子の観客に向けてのアッピールは観客の拍手を期待してのものだったようですが、日本では無理でした。後年に行なわれたフランスでの上映会では拍手喝采だったらしいです。テンポのいい作品で笑いどころもあるので楽しんで見てられます。

素晴らしき日曜日 [DVD]

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