映画番長よりエロス番長「ラブキルキル」

tetorapot2004-12-04

 今日の映画は先月に見た映画番長オールナイト「映画番長vs刺客オールナイトッ!」で見た「ラブキルキル」。「映画番長」は、同型のDVカメラで同一予算という条件の中でベテランの映画監督と新人が作品の出来を争うという企画(人気投票とかもやってたらしい)で渋谷のユーロスペースで続けられた企画で「コメディ」「エロス」「ホラー」で作品が発表されています。「ラブキルキル」はエロス番長で発表された作品で監督は新人の西村晋也

 海岸沿いのさびれた田舎町。皆川聡(津田寛治)はハローワークに勤める青年。見た目は普通だが、洋ピンオタクで部屋はビデオでいっぱい。仕事が終わってからもポルノショップでたむろしたり、コンビニで長時間立ち読みするぐらいしか趣味のない孤独な若者だった。性格も悪いので友達もいない。が、最近、ポルノショップで知り合ったナオ(愛葉るび)と言う女の子が彼の何を気に入ったのか、彼の部屋に出入りしている。

 ある日、聡は就職相談にやってきたサユリ(街田しおん)に一目惚れしてしまう。書類で住所を確かめると(注・公僕が職務上の情報を私的に利用すると罰せられます)早速、彼女を調査し始める。彼女は、高校生の弟、耕(松田祥一)と二人っきりで住んでおり、男関係も派手なようだった。そして弟とも怪しい。裸で弟を抱きしめたりしてる。

 聡の妄想ではサユリは「自分の妻」になっており、何とかきっかけをつかもうとするが、彼女は就職相談にもやってこない。困った聡はナオに彼女のことを探るように頼む。耕がカツアゲされているのを助けたナオはサユリの家に出入りしはじめ、バイト先や趣味を探り出す。偶然を装い、彼女と再会する聡。幾度かのデートをして仲良くなりはじめる二人であったが、聡の前に強敵が立ちはだかった。何と、ナオがサユリに惚れてしまっていたのだ。困った人たちだらけの恋の迷い道は続いていく。。

 テンポもよかったし、行方が見えない映画運びもドキドキさせられて、すっごく面白い映画でした。主要キャストを絞りきって、隙のない脚本に仕上がってます。主演の津田寛治がとても素晴らしい。最近はお酒のCMなどに出てますが、最近の日本映画によく出ている俳優さんです。「模倣犯」では主要キャストでしたが、「きょうのできごと」の消防士役とか、「昭和歌謡大全集」のヘリの運転手役とか小さな役でもすごく印象的で気にしてた俳優さんでした。今回はポルノオタクで妄想癖のあるストーカーを嬉々として演じてました。完全に間違ってるのに強引に自分のペースに持っていくところが笑えた。完全な犯罪者なんだが、どこか憎めない愛らしさももっている。

 男にだらしない、スレンダー美人を好演した街田しおんもよかった。街田しおんの濡れ場も相当にエロかったが、やはり一番は愛葉るび。裸でトレーニングするシーンとか女の子とバイブでふざけあうシーンは必見。アブノーマルな方向に惹かれていく少女を好演していました。パンフによるとナオの役はなかなか見つからず、ネットで彼女を見て決めたらしいです。愛嬌はないのですが、聡と腕相撲する演技なんか、非凡なものを感じました。AVやポルノ映画で活躍中で今度はお芝居(よりによって「家畜人ヤプー」)にも挑戦してるみたいです。注目していきたい女優さんですね。

公式サイトありました。→http://rubyred.muw.jp/

 この企画は自主制作作品を商業分野で公開するという企画らしく、新人監督もたくさん撮っています。東京の方では割りと盛り上がったようですが、関西ではオールナイトの入りを見てる感じではもう一つのような。。DVD化は多分されると思うんですが現時点ではほとんどのところで上映が終了。すぐには見れませんが、根気強く待ってればどこかで見れると思います。日本映画専門チャンネルが噛んでるみたいだし、スカパーにも来るかも。この手の企画は多いに盛り上がって欲しいですね。

監督、脚本:西村晋也 プロデューサー:堀越謙三、大野敦子 撮影:鈴木一博
キャスト:津田寛治愛葉るび街田しおん松田祥一

映画番長公式サイト→http://www.eigabancho.com/index.html
エロス番長トークイベント→http://www.nihon-eiga.com/cineerotics/eros/index.html
映画番長応援団!→http://www.nona.dti.ne.jp/~aaa/