ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス 4/15 MOVIX京都シアター1
★★★★★
→なんだか東映の実録ヤクザ映画を見ている気分になった。上映時間も1時間37分。その上映時間も如何にもプログラムピクチャー的である。その短い時間、次の展開に息を呑み続けた。言うならば、デビッド・クローネンバーグの「仁義の墓場」というべきか。

 マフィアの世界から身を引き、一般人として生きていたヴィゴ・モーテンセンがある事件から昔の組織ともう一度対決することとなる、というのがストーリー。本作の醍醐味はもっとも力をかけて描かねばならない主人公を最後まで得体のしれない男にしていることであって、特になぜ組織から狙われるのか、もっとも観客が気になるヴィゴの過去に関して描いている箇所が少ない。これが観客に不安を起こさせ、繰り広げられる暴力描写をより不気味なものにして緊張感を持たせている。

 執拗にヴィゴを追う片目がつぶれたエド・ハリス(なぜ、この人がアカデミーが受賞できないのかさっぱりわからん)、本心を全く出さずに笑ってるのか怒ってるのかさっぱりわからんウィリアム・ハートも見事だが、この手の規格外な役柄がぴったりなヴィゴ・モーテンセンに万歳だ。替えのきかない俳優って最近あんまりいないのだが、彼はその数少ない俳優の一人で、この役柄は彼しかできなかっただろう。これからも仕事選んで頑張って欲しい。ヒュー・ジャックマンみたいになっちゃいかんよ。

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仁義の墓場 [DVD]

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