ラブ★コン 

ラブ★コン 8/12 MOVIX京都シアター6
★★
→面白いんだが、テレビで見れば充分だと思った。ドラマ向け、映画向けの素材、どこにその境界があるかわからんのだが、こういうのは、小ネタ、クスグリをあるほどに投げ入れててんこ盛りで、がちゃがちゃっとした雰囲気で見せた方がいいだろう。それには1時間半から2時間座ってみる映画はしんどい。CMで息継ぎしながら、1時間楽しむ喜びが何週にもわたる方が楽しかろう。一時期はドラマから映画ってのが多かったんですが、最近は映画からドラマ、どっちが上流か下流かわかりませんが、本作もいずれドラマでやるんでしょうが、ドラマ向け、映画向けというのはその当たりが境界なのかなと思う。

 予想通りとは言え、女子中学生まみれの中でポツンとチョンガー一人孤塁を守るの巻はちとつらかった。彼女から見れば私は異物。浮いていると言うよりも、冷蔵庫に何故か履物がおいてある、意味がわかりませんがそういう感じでございました。元来においてゲラな私は映画館でもよく笑う。「映画館の中でキモイものがいた」とメールで書かれるのもごめんだ、とおとなしめの鑑賞を誓うも、笑うには到底届かず。正直、つまらなかった。脚本は売れっ子の放送作家鈴木おさむ。意識してると思うが、90年代の初頭のホイチョイムービーに雰囲気がよく似ている。なんだ、このぬるさは。

 テンポ自体は悪くない。さくさくっと学園生活の主要イベントをつまみだし、二人の間の事件を描いていく手法はいいと思った。小池徹平藤澤恵麻とか大阪弁が普通で掛け合いも心地よかった。藤澤恵麻。数年前の連ドラの「天花」。正直、むごくて見てられんかった。超棒読みで演技なんてもんじゃなくて、「助けてくれ〜」とヤケクソみたいに叫んだところでたまらずテレビを消した。なんか役柄で叫んでるんじゃなくて、藤澤恵麻本人の叫びのように聞こえた。つらい。今にして思えば、藤澤恵麻の演技もひどかったが竹山洋のホンもむごかった。。(余談であるが今の「純情きらり」の浅野妙子の脚本も古臭くてつまらん。登場人物の全てが紋切り型でドラマが弾まない。それでとってつけたようなドラマの連続で予定調和で「あ〜はいはい」みたいな感じで楽しめん。宮崎あおいもよく我慢してるもんだ。)

 藤澤恵麻も御年24歳。高校生には見えないのだが、その違和感が今風の割には一風変わっている主人公の雰囲気をよく出していた。このドラマ、純然たる学園ドラマなんだが、登場人物があんまり高校生っぽくない。モデルさんの演技というよりもコメディアンみたいな演技、鼻の穴おっぴろげて、早口でおばはんのようなしゃべり方と徹底した変少女に徹した藤澤恵麻に好感が持てた。ようやった。

 小ネタもあるが、さほどおもろなかったな。畑正憲(雀士)のワンポイントな使い方に寺島進の海坊主(エンドロールで気づいた)、森下能幸のマスター(歯並び悪すぎだ!)は意表をつかれた。特に寺島進の器用さには頬がゆるんだが、温水洋一はいらぬ。というか、この手の映画で温水洋一を3分以上使うのは禁止だ!悪ノリが過ぎるというか演技の引き出しが少ない人なので一度見れば充分だ。「亀は意外と早く泳ぐ」の永久パーマ屋が限界だろう!元国鉄職員の田中要次も出ているが、演技がきっちりできる人なのでもっといい使い方があるだろう。「嫌われ松子の一生」に続いて、谷原章介が頭空っぽな男前を好演、ハマリ役。彼のような正当な男前は昨今では逆にコメディリリーフでしか使えんのだ。「よろしクイーン!」とテレもせず、役者魂のある人ですな。ああ、一つ忘れてた。しずちゃんの存在感にびっくりした。強烈です。お楽しみにね。

ラブ・コン 1 (マーガレットコミックス)

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ラブ★コン (2) (マーガレットコミックス (3532))

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ラブ★コン (3) (マーガレットコミックス (3563))

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FUJISAWA EMA―藤澤恵麻写真集

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連続テレビ小説 天花 (NHKドラマ・ガイド)

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