SPL狼よ靜かに死ね
▲SPL 狼よ靜かに死ね 3/21 天六ユウラク座
★★★
→改めて見るとすごい題名だ。大学時代に「男たちの挽歌」に感動した身にはこたえられない香港ノワール。男のドラマをたっぷり描いて、その上にカンフーアクションを挟み込んだ贅沢な作品。しかもキャストがドニー・イェンにサモ・ハン・キンポーともうそれだけでもおなかいっぱい。
ドラマの筋はシンプルだが、キャラクターに特徴を加えてドラマを増やしている。黒社会のボス、サモ・ハンと警察組織との対決が描かれるが、サイモン・ヤム率いる刑事が手段を選ばずに敵を抹殺する非道な人物となっている。サイモンは病気のために引退を決意。その後任としてやってきたのが武闘派として知られるドニー。サイモンのやり方と、部下となったやさぐれ刑事のやり方に違和感を感じるドニーだったが、やがて共に戦う仲間となっていく。。
サモ・ハン、久々の大活躍である。見た目は人がよさそうな大男なんだが、動きが滅法鋭い。もう50歳を過ぎているのに、相変わらず動きがすごい。巨体を揺るがして、ドニー・イェンを向こうに回して一歩も引かない。ただ、どう見ても悪逆非道の親分には見えないので、病弱の妻に娘を大事にしているシーンを加えて人間臭い人物に描いている。
サモ・ハン、ドニーもすごいが、刑事たちを次々と殺してしまう殺し屋ジェットを演じたウー・ジンも目を引いた。若き日の小林旭そっくりの人がよさそうな童顔なのに、ナイフで次々に人を殺していく。特殊警棒を持ったドニーとナイフで戦うシーンが圧巻。何と、そのシーンは振り付けを全く決めずにぶっつけ本番でやっちゃったらしい。すげえ身体能力。さすが、ユエン・ウーピンが見い出した男や。
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