シリアナ

シリアナ 3/4 TOHOシネマズ二条スクリーン9
★★
→とにかく登場人物が多い。アラブの石油産出国を舞台にした人々の群像劇であり、主人公と言える役柄を作らず、石油を主人公にするような作りとなっている。もし主演を設定するとなると、CIAのエージェントを演じたジョージ・クルーニーであろうが、彼は助演男優賞を受賞している。授賞式のスピーチがなかなか見事だった。本人は監督賞で欲しかったと思うが。。

 私は映画を見る前に前情報をほとんど入れないのだが(無遠慮でネタばれする媒体が増えた。昔は浜村淳にさえ気をつけていればよかったのに。「マグノリア」のパンフのように平気で結末をかくパンフも多い。)登場人物が多くて、ややこしいと聞いていたので、事前にパンフを読んでから映画に臨んだ。おかげで随分わかりやすくはなったが、それでも後半はややこしい。全ての登場人物の動きを常におっていかねばならず、見ててしんどい。そしてラストはよくわからんかった。特にボブ(ジョージ・クルーニー)の最後の行動がよくわからん。よかったのは全ての登場人物の家族を描いていたこと。登場人物一人、一人の背景がくっきり浮かび上がっている。出稼ぎ労働者のワシームと父親との交流が微笑ましくて、こっそりと別れを告げるシーンが泣けた。

 キャストは芸達者をそろえているのでキャストを見るだけでも楽しめる。特にたたき上げの社長を演じたクリス・クーパーはよかった。往年の名脇役山茶花究に似てると思うのは私だけでしょうか。ジョージ・クルーニーも体重を増やして、セクシーさをかなぐり捨てて職人肌の中年エージェントに徹していた。マット・ディモンは。。まあいいか。彼が嫌いとかじゃなくて、ブライアンというキャラはいなくてもストーリーに支障はなかったように思うんですが。

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