SAYURI

SAYURI 12/11 TOHOシネマズ高槻スクリーン8
★★
→この年のワーストにさせていただいた。ワーストにはしたが、出来が悪くて泣きそうになった日本映画のワーストではなくて、これだけのスタッフ、キャストを集めてなんでこんな映画しかできんのか、という抗議の意味でのワーストである。

 と言うことでキャストの演技もスタッフのお仕事は素晴らしい。特に美術は素晴らしい。リアリティのかけらもない、ごちゃごちゃとした香港の町並みのような色街も素晴らしかった。ただ本当の色街はもっと普通の下町にである、深作欣二の「おもちゃ」で描かれたような町なんだろうが、ごちゃごちゃとミステリアスでも来る者の胸をぎゅっとつかんで引き寄せるような、色街の魅力はよく出していたと思う。

 しかし、脚本がどうにもまずい。ドラマがまったくつながっていないので、何でいきなりそうなるのか、戸惑ってしまった。後半は全くの蛇足で削ってもよかった。そして何より、さゆりの性格がさっぱりつかめん。他の登場人物もキャストの頑張りでそれなりに見せるが背景がペラペラでドラマに厚みが全くでない。

 何で英語なんか、とかなんでチャン・ツィイーなんかとツッコミどころが多い映画ではあるが、それ以上に脚本がへぼすぎる。まあ女優を見る映画だといえばそれまでなんですが。。実際、本作の大きなトピックはコン・リーの聖林デビューだろうが、「シカゴ」の監督がこんなの撮っちゃペケやペケ。それから渡辺謙はやっぱり悪役しか似合わないと思うぞ。工藤夕貴はびっくりするほどよかった。彼女があと10歳若かったら、SAYURIの役ができると思うんだが。

SAYURI メモワール・ボックス (初回限定生産) [DVD]

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さゆり 上 (文春文庫)

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さゆり 下 文春文庫 コ 16-2

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