藤木悠、死去 - ほぼ日本映画専門サイト「キネマの星座」

藤木悠が亡くなった。東宝で活躍した名脇役で、東宝娯楽映画によく出ていた。改めて写真を見ると高橋克実さんに似てるなあ。とぼけた感じが好感の持てる俳優であっただけに残念である。74歳なので年に不足はないとは思うが。「ナイン・ソウルズ」に出てたんだがあんまり印象に残ってなくて、名画座で見る60年代の東宝映画での彼のほうが印象深い。一番印象に残っているのは川島雄三の「人も歩けば」の私立探偵役かなあ。変てこな眼鏡をして妙にすましていた姿がおかしかった。岡本喜八監督の作品にもよく出ていて「近頃、なぜかチャールストン」でも重要な役柄だった。黒澤明の「隠し砦の三悪人」でも全然たいした役じゃないけどなぜか覚えておるなあ。。他に「男ありて」の新人ピッチャー役、「小早川家の秋」の店員役、山茶花究との何気ない会話がなんとも言えずおかしかったなあ、「女が階段を上る時」のホステスを嫁にもらうサラリーマンと枚挙に挙げればキリがないですな。私のような遅れてきたファンはこれからリバイバルで名作を追っていく。またいろんな役柄の藤木悠を見ることができる。そして今どんな演技してるのか、と思った時には亡くなっている。そんなことの繰り返しです。また一人、今をじっくり見たかった俳優の死に合掌。