ティム・バートンのコープスブライド
●ティム・バートンのコープスブライド 11/12 TOHOシネマズ高槻スクリーン4
★★★★★
→私のよく行くTOHOシネマズ高槻という映画館はデジタルシネマを上映するシステムがあるらしく、本作はそのデジタルシネマによる上映による第一弾であった。日本でそのシステムを持ってるのはTOHOシネマズ六本木と二つしかないらしく、つまり関西でそのシステムを持つのはこの映画館だけらしく、これはすごいことなんだろう。従来のようにフィルムに焼付けして、各劇場でフィルムを配るのではなくてデジタルで聖林から直接ネットワーク配信で送るというのがこのシステム。これが一般になるといずれは各家庭に直接映画が送信されるようになるとか。そういやジョージ・ルーカスがそんなことを言うてたような気がする。
映画館で映画を見るのが楽しみな私にとっては(家で映画を常時見れるんなら引きこもりになっちゃう)あまり興味がないのだが、画期的なんだろう。しかしそうした画期的なシステムで流される映画がストップモーションアニメと言うパペットを少しずつ動かしたのを1コマ、1コマ撮影して作られた、おそろしく手のかかる、アナログな手法で作られた作品だというのがなんとも興味深い。1、2秒の撮影で12時間かかることもざららしい。それだけでも頭が下がっちまう。
内気だけど心優しい青年ビクターに政略結婚に嫌気がさしながらも一目見ただけで恋に落ちてしまった没落貴族の娘ビクトリア、そして死者の世界で花婿を待ち続けるロマンティストなコープス・ブライド。如何にもティム・バートンの映画の世界だが、これがパペットアニメで可愛らしいキャラクタになってるだけでもにんまりしてしまう。死体の花嫁であるコープス・ブライドもとっても可愛らしいし、ビクトリアがあんぐりと口を開けるところも愛らしい。一番好きなのはまん丸の胴体に手足のついたビクトリアの父親だな。オープニングで歌うシーンがいい。声優も面白い。ビクターにジョニー・デップ、コープス・ブライドにヘレナ・ボナム・カーターとティム・バートンの映画の常連の起用が嬉しい。堅物の牧師にクリストファー・リーでビクトリアにぼんくらの女神、エミリー・ワトソンってえのもいいねえ。
上映時間は77分でさくさくとテンポよく進む。もう少し長くてもよかったと思うがパペットアニメという性格上、あんまり長い作品は難しいのだろう。現世を堅苦しく描いて、あの世を楽しげに描く演出も面白かった。あの世で酒場のシーンが楽しかった。そうした賑やかなシーンにドラマ作りもしっかりしているので心地よく見ていられる。ダニー・エルフマンの音楽も素晴らしく、賑やかなシーンをうまく盛り上げている。ティム・バートン、やっぱりはずれはないです。「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」も素晴らしかったけど本作も素晴らしい作品だ。これからもティムにはストップ・モーションアニメにはこだわって欲しい。10年に1本でもいいから、楽しみにしてます!
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