大宮東映閉館

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大宮東映が閉館。

 少し前のニュースになるが完全に見落としていた。今月の24日で閉館とはこれまた急な話である。二条のシネコンの計画は数年前からあって(何回も駄目になったが)それを理由の閉館ってのはなんか変。、跡地利用も全く決まってないらしいし、本当に突然に決めたことなんだろう。なんかウラがあるような気がする。京都松竹座が閉館したのはMOVIX京都ができるからであったが、今回はただ単純につぶすだけだもんね。赤字は今に始まったことではないし、それでも存続してるのはやはり東映撮影所のある京都から直営の映画館は消したくないとかで意地で存続させてるとか思ってたんやけど。赤字がシャレならん額やったからか、幹部がそんな映画館があることを忘れててふと思い出して、今なら潰す理由もあるし、つぶしてまえ!ってつぶしたんやろか。多分、後者やろ。

 正直なことを言うとあまり思い入れがナイ。だってほとんど行ってなかったし、東映のラインナップはMOVIX京都で上映(MOVIXができる前は弥生座で見れた)されてたし、わざわざ大宮まで行かなくてもよかったしね。正直、存在価値がもう一つ見出せない映画館であった。たまにここでしかやらない映画もあったが仮面ライダーとかのアニメものでやはり私は興味がなかった。京都を中心に5年間100本以上の映画、しかも日本映画をなるべく見るようにしている私でさえも年に見るのはせいぜい3本か4本。それもタダ券をもらってるから行ったのだ。思い出としてはここで「バトル・ロワイアル」を見たことぐらいか。それから大学時代にアニオタでゲイの友人に幸福の科学の変なアニメ映画に誘われて嫌々に行ったが我慢できずに10分ほどで出たことが。。ああ、厭な思い出を。。。殺風景な映画館でチラシもほとんどおいてなくて、受付もガランとしていた。映画への愛が感じられる劇場(コヤ)ではなくていつでもガラガラだったのが唯一の長所であった。大体、ホームページがひどすぎる。上映作品が「命」って何年前の話やねん。


データから拾うと大宮東映で見た作品はこんなのだった。
2000年
死者の学園祭(タダ券)
長崎ぶらぶら節(タダ券)
新・仁義なき戦い(これはエキストラに参加したんで券もらったんとちゃうかな)
バトル・ロワイアル(これもやはりタダ券)
2001年
バトル・ロワイアル<特別編>(このときはここでしかやらなかった。金払って見た)
2002年
化粧師(どっかから前売りもらってた)
2003年
私のグランパ(ここでしかやらなかった。石原さとみが見たかった)
バトル・ロワイアル2鎮魂歌(MOVIX京都は混んでそうなのでわざわざここで見た)
2004年
半落ち(はじめてここが満員になったのを見た)
いつかA列車(トレイン)に乗って(ここでしかやらなかったの)

 私にとっての大宮東映はやはり子供の頃が思い出深い。小学生時代、映画と言えば東映まんが祭りであった。子供たちだけで阪急の切符を握り締めて駅から降りてすぐのところにそびえていた映画館をおぼろげながらに覚えている。それが大宮東映であったのだ。大宮東映の開館は1961年。最も映画が元気だった頃で東映は時代劇の全盛期。時代劇が衰えてからは仁侠やくざ映画、そして実録やくざ映画。アクション大作、ヒーロー物と多くの観客を楽しませたことであろう。仁義なき戦い 完結編」での襲撃シーンをはじめとして手近な映画のロケ地としても使われていた。長く続いてきた映画館にはいろんな人の思い入れが詰まっている。片岡千恵蔵のチャンバラに夢中になった家族連れ、仁侠映画に社会情勢を重ね合わせて涙を流した大学生、千葉ちゃん、渡瀬恒彦のアクションに胸を躍らせた中学生、ピラニア軍団の大暴れに大笑いしたお父さん、そして東映まんが祭りに目を輝かして小銭握り締めてやってくる子供たち。。思い出はさまざまであろう。どんな映画館でもやはり閉館はさびしいものだ。閉館前に何らかのかたちで映画ファンに報いる企画を立てて欲しいものだが難しいか