サイドウェイ

サイドウェイ 3/20 TOHOシネマズ高槻スクリーン6
★★★★
→夢はあった方がいい。輝かしい将来を楽しみに人は苦難を乗り越え、歩みを進める。。そう信じないと平凡な日常などとても送れないのだ。「アバウト・シュミット」で老境を迎えて「自分の生きた証」を自らに問い続ける男を描いたアレクサンダー・ペインの最新作は夢をあきらめた男としがみついた男のロードムービーであった。かつてはドラマで人気を博した俳優は1週間に結婚を控えている。しかし、それは同時に彼にとっての俳優生活の終了であった。かたや夢をあきらめきれない男は小説家志望のマイルス。彼はワインマニアであり、ジャックをワインツアーに誘うというのがストーリーライン。全く性格の違う二人のやり取りも楽しいが、胸の中に何かがしんみりと染みてくる。そして旅は終わり。。マイルスに感情移入してしまった観客にはこの後がつらい。自分がそのような経験をしてなくても思わず、身につまされてしまうのだ。やられた、という感じである。「アバウトシュミット」と違い、ラストに余韻を持たせたのもうまい。この心のひだをかき分けるような演出、本当にすげえ監督だぜ。マイルスを演じたのはアメリカの松尾スズキことポール・ジアマッティ。情けなくても等身大で親しみやすいキャラクターを演じていて好感が持てた。ワイナリーをめぐる小洒落た映画だと思ったら大間違い。隠し味にいっぱい唐辛子とか放り込んだ、キッツイどぶろくみたいな映画でございます。「最強伝説黒沢」が好きな人にはお薦めだ。しみるぜ。なお、本作がR-15になっているのは男のイチモツが写るシーンがあるからです。吹きそうになったぞ。

サイドウェイ〈特別編〉 [DVD]

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アバウト・シュミット [DVD]

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最強伝説黒沢 7 (ビッグコミックス)

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