序文

2003年1月12日、深作欣二監督永眠。

　前年、「仁義なき戦い」の脚本家である笠原和夫とピラニア軍団の一員だった室田日出男が鬼籍に入った。そして深作欣二も世を去った。

　一つの時代が終わったと思わざるを得ない。巨匠であった。と同時にもっともその言葉が似合わない人であったと思う。「誇り高き挑戦」で評論家をあっと言わせ、「仁義なき戦い」でヤクザ映画を変えてしまい、「仁義の墓場」でヤクザ映画を終焉させ、「蒲田行進曲」で芸の幅を見せつけた。

　そして「バトルロワイアル」という、国会を巻き込んでの論争になった作品を70歳で作った。さらに自身にとって初の戦争映画となる「バトルロワイアル２」の撮影中に亡くなった。死ぬまで現役だったのだ。日本映画を代表する巨匠でありながら、常に新しいことに挑戦し続けたパイオニアであった。もうこれほどの監督は出てこまい。

　「仁義なき戦い」も「仁義の墓場」もリアルタイムで見ることができなかった、我々”遅れた”世代はその業績をいまだ完全には知らない。このコーナーでは深作監督の作品を一本ずつ紹介したいと思う。まだまだ深作作品を知らない人たちの助けになれば、幸いである。そしてこの行為は深作をリアルタイムに知ることができなかった”深作への旅”にもなると思う。

　ご子息の深作健太氏によると深作監督は映画を祭になぞらえて、大勢の人が見てくれることを望んでいたそうです。その深作監督の心情に少しでも寄り添いたいと考えておりますので「深作まつり」と名づけました。

　前口上はここまで。「深作まつり」始まります。お付き合いください。

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こちらのブログでもおいおいと紹介していきたいと考えています。