那須博之、死去

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那須博之監督が死去。実は「デビルマン」どころか、那須監督の作品は1本も見ておらんのでこの人のこと、よく知らんのですよ。「デビルマン」を撮らなかったら多分、この人の死はそんなに話題にならなかっただろうと正直に思う。

90年代の初頭、バブルで狂った時代に日本映画界はドラマの焼き直しみたいなクソ映画を乱造。55年生まれの滝田洋二郎も54年生まれの廣木隆一も52年生まれの那須と一緒でピンクから出発して、“トレンディ”ドラマを製作していた。滝田や廣木がその粗製乱造の中から自分の色を出して「壬生義士伝」や「ヴァイブレーター」のような作品を撮る名監督になっていたのに那須監督の経歴はあまりにもさびしい。会社のお仕着せ仕事が丸分かりの作品群である。で、「デビルマン」。彼にしてみれば大作でまさに代表作にするべき作品だった。が、逆の意味で「代表作」になってしまったのだ。東映にも色々と問題もあっただろうが、やはり皆に憎まれるほどの映画になってしまったこの責任は北京原人」の責任が佐藤純弥にあるように、「幻の湖」の責任が橋本忍にあるようにやはり「デビルマン」の責任もこの監督である。そして長生きしたところでその汚名がそそげるような作品が作れたとは到底思えない。しかし「氏ね」とか言ってて本当に死んでびっくりしてる人もおおいだろうなあ。(映画秘宝関係者とか)俺なんかもう見るからに駄目そうだったんで、スルーだったんだろうけど。見た人の憎悪って怖いぐらいだもん。俺も「キャシャーン」見たときにはびっくりしたけど、宇多田の旦那(名前忘れた)に氏ねとは思わなかったもん。よっぽどひどかったんだろう。。突然死は那須監督の「氏ね、氏ね言うんなら本当に死んだるわ」と言った感じのささやかな仕返しにも思えるぞ。(不謹慎)この写真は「ピンチランナー」の頃の写真だろうけど、なんか目がイッてて怖いぞ。

日本映画界には興行成績で惨敗でどう見ても才能がないのに、何故か大作を手がけすぎる映画監督が多すぎる。特に駄作連発の大森一樹はどうして映画が撮れるのか。那須にしても「デビルマン」は遺作ではなくて、哀川翔主演の「真説・タイガーマスク」(多分、東映)を11月に撮っていたらしいじゃないか。*1デビルマン」公開前に撮られていたとは言え、社内評判も最悪で岡田茂が撮り直せ!と激怒した作品を撮った男がなんで次回作を撮れるのか、一般人では理解できん。文春の栄えある第一回「きいちご」賞を受賞した「デビルマン」を超える作品が出現するか。どの作品になるかわからんが、おそらく東映から生み出されることは間違いないだろう。私は「男たちの大和」がその有力候補と見ている。。。見にいかんけどな。