週末映画雑砲〜映画づくしの三連休〜

morisaki


 今週末は人に会う約束も仕事も無く、のんびりと映画を見ながら過ごした週末であった。ああ、心安らか。

☆2月11日。建国記念の日。借りていた「悪い男」のDVDを見る。先日見た「反則王」にしても脚本は中途半端だし、主人公に感情移入は難しいのだがテンポと丁寧に撮りあげた映像で見せている。60年代のプログラムピクチャアを見せられているようだ。今の韓国は日本の60年代みたいなもんで成長期なんだろう。映画にもその勢いが出ている。そのノリにのった韓国映画の「オールドボーイ」をみなみ会館で見る。これは二回目の鑑賞になる。一度目の感想はラストがあまりにも衝撃的過ぎて見た後の気分はあんまりいいもんではなかった。今回はラストを知っているので、じっくりと見たが、やはりこれは傑作だな。映画の前半は観客にある存在を忘れさせるためにあり、それに成功している。見てから考えるとストーリーからしてラストは想像できなくもないのに、すっぽりと頭から抜け落ちているのは前半部分のストーリーの巧みさである。後半は謎解きに向かって一直線に観客をぐいぐい引っ張っていく。夢中になるし、引っ張っていかれる快感すらも覚える。素晴らしい。その後、MOVIX京都にて森崎東の「ニワトリはハダシだ」。宴会映画と異名を取る森崎映画らしく、映画全体がざわざわしてて、常に誰かが動いている。登場人物が多く、また伏線を張りまくっていたのでストーリーが混乱してるがそれでも勢いだけで突っ走ってしまうだけの元気がまだ森崎監督には溢れている。


悪い男 [DVD]

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反則王 [DVD]

反則王 [DVD]

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]


☆2月12日。早起きして大阪で「銀のエンゼル」を見に行く予定だったが見事に寝坊。昼過ぎにみなみ会館金城武の「ターンレフトターンライト」を見る。「恋する惑星」のような可愛らしい一品。ベタベタな恋愛映画で苦手な分野だが見終わったあとの気分はそうは悪くない。その後、京都シネマにて「巴里の恋愛協奏曲」。フランス映画はおしゃれにやっても様になるし、こうしたオペレッタもとてもよく似合う。どうして日本ではオペレッタやるとなんか恥ずかしいものになるんだろうか。成功した例って「鴛鴦歌合戦」と「君も出世ができる」だけだもんなあ。。俳優の不足だろうねえ。聖林だってそれなりに様にはなってるけどやはりこの手の映画はフランスだな、フランス。

ターンレフト・ターンライト 特別版 [DVD]

ターンレフト・ターンライト 特別版 [DVD]

巴里の恋愛協奏曲 [DVD]

巴里の恋愛協奏曲 [DVD]

☆2月13日。早起きに成功。「銀のエンゼル」を見に、シネリーブル梅田まで出かける。映画館につくとなぜか女の子の長蛇の列。また舞台挨拶か?とおそるおそる券を買うと整理券は20番台。なんだ、この人だかりは?と思って店員に聞くと隣の劇場でやってる「劇場版テニスの王子様」とやらの声優さんを迎えての舞台挨拶があるとか。声優でもこんなに集まるのか。数年前、ラピュタ阿佐ヶ谷って言う映画館に行ったときだ。地下からアニメ声と野太い声が聞こえるので何が起こっているのかと思えば、声優さんのコンサートだった。アニメ声は声優さんの声で野太い声はファンの男の声だったのだ。声優オタってむさい男ばっかだと思ってた。確かにオタっぽい女ばかりなのだが、割と普通の女の子もいる。大学時代、アニオタの友人を持っていたので声優オタの女に逢う機会もあったが左門豊作子が多かった。時代は変わるもんである。女の集まりは甘酸っぱい匂いがするが、アニオタ男の集まりはリアルに酸っぱい匂いがする。というか酢の匂いがしてミサイルでも打ち込みたくなる。一文字違いで大違いだ。脱線したおしてますが、映画はよかったです。淡々と北海道で地味に生きる人々の暮らしをうまく切り取っています。びっくりしたのが村上ショージ。北海道、でっかいどお!!の縁で出してもらってるんでしょうがゆったりとした感じでおさえた演技なのだ。こんな余芸があったとは。

銀のエンゼル―出会えない5枚目を探して

銀のエンゼル―出会えない5枚目を探して

☆ゆっくりとご飯を食べてCDやDVDを物色中。今月は既にピンチ。余裕はないぞ。。と思ったときにはもう遅い。DVDやCDを買い込み、取り寄せまでお願いしてしまった。やばい、来月は本当にバイトでもしないと生活できんかもしれん。阪急電車で十三に向かい、第七藝術劇場森崎東の「喜劇・女は男のふるさとヨ」を見る。荒唐無稽で意味があるとは思えないカットもいっぱい入ってるし、めちゃくちゃな映画だが、片方のタイヤが外れた車がぶっ飛ばしてるみたいで大変に楽しい。ラブシーンなのに、隅のほうで酔っ払いがふらふら歩いているという奇跡のようなカットもあるでよ。緑魔子をこんな役に使うか、普通。映画上映後には「ニワトリはハダシだ」のスタッフと森崎監督のトークショー。美術の磯見俊裕さんが口火を切ってウンコの話をしてほとんどがウンコの話であった。観客も当初は笑っていたが、だんだんひいていたぞ。なお、磯見さんによると「誰も知らない」是枝裕和監督は今時代劇を撮っているそうな。そこにもウンコの話が出てきて赤穂浪士も出てくるらしい。しかし元気な78歳だな。今、次回作のロケハンもやってるらしい。

☆仕事が終わってジムで一汗流してから弟と京都シネマに「ビハインド・ザ・サン」を見る。息が詰まるように緊迫した状態で進められたドラマで大変に見ごたえがあった。衝撃的な事件から余韻たっぷりに終わらせる映画運びにうっとりとなった。