黒木監督、山中貞雄監督を語る

☆続けて「父と暮らせば」の黒木和雄監督によるトーク。題して「山中貞雄監督を語る」。9月17日の山中貞雄の命日に山中貞雄を偲ぶ会という催しが京都のお寺で毎年行なわれている。黒木監督は山中貞雄の甥の加藤泰監督に師事しており、山中に興味を持って伝記映画を企画したこともあるらしい。私も山中貞雄の「人情紙風船」「丹下左膳余話百万両の壺」(DVDも買った)が大好きなので非常に面白いトークであった。聞き手はシネ・ヌーヴォの景山さんだった。山中貞雄の姪、原田道子さんからもお話がああった。黒木監督の映画は実はそんなに好きではないが、山中監督の伝記映画はぜひ見てみたいと思う。22年越しの企画だそうで実現して欲しいな。黒木監督の「これだけ凄い監督を一兵卒として殺してしまった戦争というものを私は許すことができない」という言葉が印象に残った。「丹下左膳余話百万両の壺」を25歳で撮ってしまった監督が29歳で死ななかったら戦後にどんな映画を撮ってくれたんだろう。戦後映画史もきっと変わったものになったと思う。そう思えるほど、遺された三作品はいい作品なのだ。