京都映画祭スタート

 世間の映画ファンが東京国際映画祭で盛り上がっている昨今、こんなんで喜んでるのは俺ぐらいやろな、と思いながらも。。はい、京都映画祭から昨日からスタートしました。昨日は祇園会館で「ウィンター・ソング」を見て、今日は万田邦敏の「ありがとう」を見てきた。「ウィンターソング」はもう金城武ファンとこんなん好きな人が見とけばいいんちゃう、って映画なんですが、「ありがとう」、2時間5分もある映画なんですが、これがなかなかよくできている。

 阪神大震災で被災したおじさんがプロゴルファーに挑戦する話なんだが、今時気持ちいいほどストレートな映画で時間を忘れて見入ってしまった。映画は大きくわけて、震災のシーン、復興に向けて主人公がボランティア、自治会活動に奔走するシーン、プロゴルファーに挑戦してプロテストを合格するまでの3つのシーンで構成されているが、それぞれにメリハリをきっちりつけて飽きずに見る事ができる。震災のシーンは再現に実際の映像を混ぜて臨場感たっぷりに観客にまざまざと記憶を思い起こさせる。関西の人間はあの地震、忘れられへんしね。。クサいと言えばクサい話なんですが、照れずにストレートに描ききった万田邦敏監督の演出が素晴らしい。主演は赤井英和で市井の威勢のよいオッサンを演じている。そんなに演技の引き出しがあるタイプではないのだが、身に合った役を演じる時の存在感が実に素晴らしい。「どついたるねん」「王手」以来のハマリ役でこれは彼の代表作になるだろう。「がけにしがみついてるその手、放してみいや!」と言い切るシーンがかっこいい。脇を支えるのは嫁はんに田中好子。この二人の掛け合い、息がぴったりで心地よい。娘役に尾野真千子前田綾花と日本映画ファンにこたえられないキャストなのも見逃せないですな。

 幸先のよいスタートだったので、明日からも楽しみ。わざわざ、休み取りましたのでたっぷり楽しみたいもんです。何も休み取らんでもええんやないの、と自分でも思わんでもないですが、(しかも2日も)まあ二年に一回のことだし、一人ぐらいこんなんいててもいいんちゃうか、と少し思う。今週いっぱい楽しみますわ。