かもめ食堂

かもめ食堂 6/4 京都シネマ
★★★
やっと見ることができた、というのが正直な感想。とにかく公開された4月の中頃は休日はもちろんのこと、平日でも満席だったもんな。公開作品が目白押しのミニシアターには珍しくロングランを続け、京都シネマでも1ヶ月以上、上映している。なんでこんな人気あるのか?と考えた。根強くある(特に若い女性に)北欧ブームかこの映画のために原作を書き下ろした群ようこのファンなのか(そんなにこの人のファンっているのか?とセルフツッコミしとこう)と思ったが、やっぱり小林聡美もたいまさこの人気によるものが大きいのだろう。id:Kurobakuさんも触れておられるが、「やっぱり猫が好き」のファンは本当に多い。実は私も中学生の頃に母親と一緒に見ていたのでこの二人の名前は随分前から知っていた。

 映画の方はフィンランドで日本人女性が開店した小さな食堂、かもめ食堂を舞台にしたお話。店主を演じるのが小林聡美で店を手伝うことになる女性に片桐はいりもたいまさこ。で、あとはフィンランドの俳優さんが出てくる。ストーリーの方はひたすらにシンプルで大きなドラマもあまりない。片桐はいりもたいまさこもわけあり風なのだが、ドラマにはならない。大体、フィンランドに店を構えて客が来なくてもニコニコ笑ってる小林聡美が一番ミステリアスなんだが3人についてのドラマはほとんどなく、店で強い酒を飲んで酔っ払ってしまうおばさんや「コピ・ルアック」(映画の中にも出てくるが要はコーヒー豆を主食にしているルアックって動物の糞なんだよな。。)と呪文を唱えてとびっきりのコーヒーを入れてくれる中年男などのお客さんにドラマを描いている。この中年男を演じる蟹江敬三みたいなおじさんがマルック・ベルトラ。「過去のない男」の主演をやった人です。

 館内ではもたいまさこの登場シーンで爆笑が起こった。一挙一足でこれほど観客を沸かせる女優はこの人ぐらいだろう。言葉もわからんのに、フィンランド人のおばさんの悩み事を真剣に聞いていた姿が笑えた。片桐はいりも舞台の人なんで出演作は少ないが「キューティーハニー」の悪役幹部役、「female」のヌーブラを愛するタクシー運転手役に引き続くハマり役であった。もっと映画に出て欲しい。小林聡美も外国で店を切り盛りする女主人が良く似合う。3人とも意外に映画出演が少ないので(小林聡美はドラマによく出てるらしいがテレビは見ないので知らん)久しぶりにそれぞれの持ち味をたっぷり楽しめた。女優を見る映画ですな。

 監督は「バーバー吉野」の荻上直子。ドラマでは「やっぱり猫が好き2005」の演出もやってる。本作で3本目だが、1年に1本ぐらいのペースで映画を撮っている。2作目の「恋は五・七・五!」では俳句甲子園という難しい題材を映画化しており、演出力の高さに感心した。俳優の持ち味を生かす演出法に長けた監督で本作でも3人の個性的な女優をうまく使っていた。「恋は五・七・五!」で関めぐみが「やさしい悪魔」をフリ付きで踊るシーンがあって、それがびっくりするほど可愛らしくて映画のアクセントになっていたが本作でも、小林聡美合気道の練習で立て膝でごそごそ動くシーンや、プールで万雷のような拍手をもらったりするシーンがいいアクセントになっていた。撮影はフィンランドの人だが、落ち着いた港の風景や森を綺麗に撮っていて、楽しめた。

かもめ食堂

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「かもめ食堂」オリジナル・サウンドトラック

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ムーミンの小説はほとんど読んでいたがスナフキンがミィの異父弟だったのは覚えてなかった。小説版のムーミンはムーミンパパがめちゃくちゃにかっこいい。ちなみにムーミン一族が冬眠することを知らなかったあなたはここをクリック