ハンブルク・セル 2004年 イギリス
▲ハンブルク・セル 11/20 海遊館ホール 第12回大阪ヨーロッパ映画祭
★★★★
→これが一番面白かった。9・11を扱った、初めての本格的なフィクション作品。フィクションとなってますが、テロの実行犯を実名で描き、捜査記録、裁判文書を丹念に調べ上げ、取材をみっちり行ってテロリストの実情に迫っている。そこに監督の思いが組み込まれてリアリティあふれるフィクションとなっているのだ。よい仕事である。これは公開されるやろ。というか早くしてくれ。
監督は「司祭」「フェイス」「ラビナス」のアントニア・バード。女性監督でロバート・カーライルをよく使っています。「ラビナス」はもう一つであったが「フェイス」は銀行強盗団の裏切り、破滅を忌憚無く描き出した作品ですごく切ない。本作も丁寧に普通の学生がなぜテロの実行犯になったかを描き出している。
主人公のジャラは最後に愛する妻に電話をする。「愛している」。その言葉を言う彼の顔には表情がない。果たして彼がそのときに何を思っていたのか、答えを出すことなくカメラは彼を淡々と映し出す。。ジャラを演じたのはカリム・サラー。恐ろしく冷静なテロリストを神妙に演じている。彼はオファーが来た時に一度は断ったのだが、監督に説得されて出演を決めたらしい。近くでサインもらいましたが、男前です。
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