香港国際警察

香港国際警察 3/8 TOHOシネマズ高槻スクリーン7
★★★★★
→これは成長著しい香港映画界から映画ファンへのプレゼントのような作品である。アジア通貨危機ジャッキー・チェンの聖林進出、そしてSARSの来襲にレスリー・チャンの自殺。。とここ数年は香港映画界にとって受難の時代であった。しかしその冬の時代、香港の映画陣はひっそりと爪を研いでいたのだ。低予算でも面白い映画を作るにはどうしたらいいか。ひねりの利いた奥行きのあるホン、スターではなくて新人キャストの発掘、CGをどう効果的に使うか。。様々な工夫が練られたのだ。そうした積み重ねの結果出てきたのが「インファナル・アフェア」シリーズの大ヒットである。特に無限回廊のように入り組んだストーリーを多彩なキャラクターを駆使してテンポよく描ききった「インファナル・アフェア 無間序曲」が印象深い。そしてジャッキー・チェンの香港映画界の本格的な復帰を迎えて作られたのがこの作品である。実はジャッキー・チェンの映画をスクリーンで見る機会はあまりなかった(「アクシデンタル・スパイ」は見た)ために期待していたのだが、その期待に充分応える素晴らしい出来栄えになっていた。ジャッキーは刑事で銀行襲撃犯のアジトを見つけて仲間を連れて乗り込む。犯人グループはガキなんだが、狡猾に残虐に次々と人を殺していく。ジャッキーは次々に仲間を殺されてしまう。目の前で部下を殺されて死体を担いで逃げていくジャッキーの姿は悲惨である。そのショックからジャッキーは落ちるところまで落ちる。昼間から酒をあおり、チンピラにぶちのめされる始末。この前半部分を映画は容赦なく描き出す。後半は若き相棒の力を得て今一度、犯人グループに戦いを挑んでいくジャッキーの勇躍した姿を描き出し、切れ味のいいアクションを見せてくれる。犯人グループにもガキ特有の儚さを加えてキャラクターを豊かにしているのも見逃せないが、やっぱりジャッキーのアクションが素晴らしい。パソコンオタクの婦警を演じたシャーリーン・チョイもかわいい。