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▲SPIRIT　３／２６　ＭＯＶＩＸ京都シアター２
★★★
→ジェット・リーも今年で４３歳。顔が童顔だから、もっと若く見えるけどね。アメリカでは東洋人は若く見えるので３０歳ぐらいのイメージではないかしら。３歳年上の真田広之の身体能力もすごいが、一線で肉体を張り続けるジェット・リーにはかなわない。８２年の「少林寺」から２０年以上。本作でマーシャル･アーツ作品からは引退だそうだが、その身体能力の高さには本当に感服する。というか引退してどんな映画に出るのか、ちゃらけた恋愛ドラマに出るリーなんか、俺は見たくないぞ。

　中国が西洋列強にもみくちゃにされて、誇りを失った時代に生きた武人霍元甲（フォ・ユァンジャ）。強いということが個人を越えて国家につながった時代のお話である。フォは国の誇りを背負って戦った。劇中に出てくる西洋人の力自慢との対決は実際に企画されている。映画ではヘラクレス・オブライアンの対決が行われ、映画の大きな見せ場になっているが現実は当日になって対戦相手が逃げ出してしまい、対決はなかった。その際にフォはルールなしの無制限勝負を提案しており、飛び入りの腕自慢相手に名勝負を繰り広げた。日本人の柔道家と戦ったのも本当の話だがその直後に病死しているので、日本人による毒殺の噂もあるらしい。

　ヘラクレスを演じたのはモノホンのレスラーだったネイサン・ジョーンズ。「トム・ヤン・クン！」や「トロイ」に引き続きの映画出演だが、やっぱり迫力がある。華麗に舞うリーに対して圧倒的な腕力で立ち向かうレスラーを好演していた。日本の柔道家を演じたのは中村獅童。均整がとれた、いい体をしているし、面構えに迫力があってなかなかカッコよかった。ただ、このキャラは武道とは何かを悟った武芸者なのでもっと年嵩の役者でもよかった。まあ、千葉真一でもよかったと思うが。しかし海外の日本人役ってなんで田中ばっかりなんだ？「ラストサムライ」の悪役ぶりが印象に残ってるのか、原田眞人は今回も卑怯でみっともねえ悪役。映画も撮る俳優なのか、映画に出る監督というべきなのか、まあ演技は筒井康隆と似たり寄ったりなんだが。役者なら大和田伸にやらせたい役柄だわな。