岡田眞澄、死去
訃報が続く。岡田眞澄が亡くなった。享年70歳。私のような70年代後半生まれにとっての岡田眞澄はやっぱり「ファンファン大佐」であって、一時期まで「この人はファンファン」という人だと思っていた。バラエティへの出演が多かったので、テレビの人かあの立派な体格から舞台の人だと思っていたが元々は日活の俳優さんであった。東宝ニューフェースを経て、日活でデビュー。日活青春映画で活躍する。
代表作はなんと言っても「幕末太陽傳」であろう。役柄は遊郭の若衆でその日本人はなれした造形をからかわれると「あっしは爺さんの代から下町の生まれ」と必死に抗弁する様が面白かった。「幕末太陽傳」の人たちも随分亡くなった。スタッフでも脚本の今村昌平も亡くなったし、キャストも山岡久乃も左幸子も亡くなった。今でも元気なのは小沢昭一、南田洋子、小林旭、梅野泰晴ぐらいか。菅井きんも最近見ないしな。。
「幕末太陽傳」もよかったが「狂った果実」も演技も印象的でした。邦画ブラボーさんも書いておられますが、ハーフの岡田眞澄にだけ英語でオーダーを聞くウェイターに「焼酎あるう?」と茶目っ気たっぷりに返すシーンがよかった。この「狂った果実」は中平康のデビュー作であるし、デビューまもない津川雅彦、石原裕次郎、北原三枝がキラキラ輝いているすごい作品なんですがその中にあって岡田眞澄も脇役でしっかりと輝いておりました。
葬儀ではタキシードを着せられ、胸には3本のバラが置かれていた。そうしたスタイルが似合う人であった。70歳とは早いと思うが自分のスタイルを貫いて生きることができたことは幸せであっただろう。合掌。
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