伊福部昭、死去

伊福部昭さんが亡くなった。享年91歳。「ゴジラ」などの映画音楽で知られる人だが、東京音楽大の学長も歴任した音楽家でもありました。昔の映画を見てると、後に大物になる作曲家が音楽を作ってたりして驚くことがままあります。伊福部さんだけでなく、中国で客死した團伊玖磨も「夫婦善哉」の音楽を作ってますしね。

　伊福部さんの映画音楽と言えば「ゴジラ」シリーズをはじめとした東宝特撮ものが有名ですが、東宝以外での仕事も多く、フィルモグラフィを見ると「悪名」「座頭市物語」を初めとして大映の仕事が案外に多いことに気がつきました。「偽れる盛装」「疵千両」「忠直卿行状記」「大魔神」。。と挙げればキリがない。「十三人の刺客」「真昼の暗黒」「その壁を砕け」と実にいろんな作品を手がけていて、その幅の広さには驚きました。マイナーな例ではあるが「真昼の暗黒」の大仰な音楽が印象に残っている。

　二年前に卒寿を迎え、日本フィルハーモニー交響楽団の演奏でバースディ･コンサートが行われました。コンサートにはゴジラも駆けつけて、大いに盛り上がったそうです。（そりゃ盛り上がるだろう）「ゴジラ」で一躍有名になった伊福部さんだったが音楽の世界では「彼は音楽作家」ではないと冷たい目で見られた時期もあったそうです。しかし「ゴジラ」のテーマほど人々の心に残った映画音楽はないでしょう。何かよくないことが起こりそうな、胸をわざわざさせるような、それでいて少し心が弾むようなあのテーマ曲。私も一時期、着メロにしてました。合掌。

伊福部昭の映画音楽

ミレニアムゴジラベスト/伊福部昭 東宝特撮映画傑作集

伊福部昭の世界

完全収録 特撮映画音楽 東宝篇9 ゴジラVSモスラ

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