凛々しいがこの年でキャッチャーするの

風邪ひいてひっくりかえってました。。

星による評価はあくまでも目安。5つ星で評価しとります。大体が星4つから2つまでの範囲です

★★★★★・・・映画ファンならば必ず見るべし

★★★★・・・・ぜひ見ておきたい作品

★★★・・・・・映画館で見ても損はなし。ここまでは標準

★★・・・・・・時間がないならスルーでもOK

・・・・・・・金払う価値なんてない

星なし・・・選外。フィルムの汚れは映画とは認めない。



☆・・・旧作(関西において本年以前に公開された映画)

■・・・二回見た作品

☆男ありて

☆男ありて 10/11 高槻松竹セントラル(特集上映人生名画劇場)
★★★
→日本で最も人気のあるスポーツと言えばやはりプロ野球だと思うのだが、その割にはプロ野球を題材にした映画は少ない。そして名作もほとんどない。「ミスター・ルーキー」がややマシというレベルなので推して知るべし。本作では志村喬演じるプロ野球チームの監督とのその家族を描いたホームドラマなのでプロ野球ものとは少し違うのかもしれないが、まあプロ野球を題材にした映画の中では名作である。家のことは奥さんに任せきりで仕事のことしか頭にないお父さんとそのお父さんを献身的に支える奥さん、そして「もっとお父さんはお母さんを大切にするべきだわ」と訴える娘という設定は日本のよくある家庭を模写したもので親近感が持ちやすい。そこに下宿するのが血気盛んな若い野球選手。これが藤木悠である。うへえ。4番を打つのが三船敏郎ってのもすごい。頑固親父役の志村喬のどっしりとした感じが印象深い。菊島隆三が脚本を書いてるだけあって、登場人物を丁寧に書き分けて、展開がコロコロと変わる面白いストーリーになっている。見事。ただラストで志村喬が○○をやるというのはいくらなんでもと思うが、まあご愛嬌。志村喬という俳優の持ち味を最高に生かした作品。藤木悠も飄々とした感じでファンにはご馳走。

男ありて―志村喬の世界

男ありて―志村喬の世界

☆仰げば尊し

仰げば尊し 10/11 高槻松竹セントラル(特集上映人生名画劇場)

→松竹大船の”反逆児”渋谷実の遺作。1965年の「大根と人参」を最後に松竹を離れた渋谷実はその翌年に本作を東京映画(東宝)で監督。そして、その14年後に世を去ります。もしかしたら病だったか、活動をテレビか舞台に移したのか、何か事情があったのかも知れませんがこの時、59歳。あまりにも早すぎる引退です。かつてナンバー2を争った木下恵介が76歳まで作品を撮り、テレビでも多くの作品を残したことと比べるとあまりにも寂しいではないですか。そして惜しい。大島渚によると松竹のスタッフは「○○組」という自負が強く、監督によってスタッフが固まっていた。渋谷組のスタッフも「渋谷実に最高の映画を作らせよう」と頑張っていた。松竹を辞めたあとに渋谷監督はフリーとしてそうした「渋谷組」が作れなかったのではないだろうか。松竹で長く監督をした割にはこの人に対する評価や評伝はほとんど存在しない。本当に謎の監督である。ただ言えるのは、本作は出来栄えが決してよくない、ということだ。本作が遺作というのは非常に残念。渋谷監督と脚本の松山善三は社会派の視点を隠し味にブラックユーモア仕立ての喜劇にしようとしたんだろうが、どう考えても笑えん。題材が暗すぎるのである。教え子が組合運動に疲れ果てて自殺するところからその予感はあったが、中盤まで何が言いたいのかわからずに後半ではっきりとわかった時にその題材に頭を抱えた。はっきり書くと自殺に始まって流産で終わる映画を見て笑える人なんかおらんのだ。ラストに大暴れする小沢昭一はシャレですまされず、悪ふざけもいい加減にせえと気分が悪くなった。松竹のくびきが外れたから暴走してしまったのか、完全にやりすぎなんである。期待していただけにがっくり感も多く、ひどく疲れた。。

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